本製品の機能面での目玉といえるのが、デジタルテレビ放送の視聴や録画の機能だ。テレビチューナーはPCI Express x1カードで提供されており、地上/BS/110度CSの各デジタル放送に対応する(アナログ放送は非対応)。カード上に2基のチューナーユニットが組み込まれているので、2番組同時録画や視聴中の裏番組録画を楽しめるのも従来機と同様だ。
テレビ番組の視聴や録画の機能を担うソフトウェアは、ピクセラの「DigitalTVbox」で、無償アップデータの適用によりダビング10にも対応する。ただし、購入直後の状態では、ダビング10対応の番組であってもコピーワンスのコンテンツとして扱われてしまうため、テレビ機能を使い始める前にアップデートを済ませておきたい。もっとも、プリインストールされている「アップデートナビ」を使えば、作業自体は手間をかけずに行える。
DigitalTVboxは、PCを立ち上げるとタスクトレイに常駐しており(待機モード)、ここからの起動時間は約10秒弱で済む。一定のメモリ容量(140Mバイト程度)を消費してしまうが、一度終了させてしまうと次回の起動は約35秒かかるうえに予約録画や番組案内などが機能しなくなるので、通常は待機モードでの利用が賢明だろう。
ライブ視聴中のチャンネル切り替えは、3秒弱と一般的な大画面テレビと同程度でストレスは感じない。視聴番組をそのまま録画できるほか、タイムシフト機能が利用できる。タイムシフト中に録画ボタンを押すと、タイムシフトをスタートさせた時点までさかのぼって録画データを残せるのも便利だ。ちなみに、ライブ試聴からタイムシフトへの切り替えは約9秒かかる。
ただし、タイムシフト中は裏番組録画ができず、録画中はタイムシフトモードへ移行できないといった制限もある。何より、2基あるチューナーの切り替えを、(予約録画時を除き)手動で行わなければならないのが残念だ。というのも、録画中に裏番組を見たいときは、テレビ画面を右クリックするか、リモコンの「便利」ボタンで呼び出すメニューから「レコーダー切換」を指定し、録画作業をしていないほうのチューナーに切り替えてから初めてチャンネルの変更が行える仕様なのだ。せっかくのダブルチューナーが、かえって操作を複雑にしている印象がぬぐえず、快適に扱えないのが惜しい。
一方、予約録画機能はその充実ぶりが際立つ。番組表はG-GUIDEを利用する仕様で、インターネット接続とG-GUIDEへの登録(無料)が必須ながら、番組の詳細データの画面から番組ホームページへジャンプできたりと、細かな利便性も配慮されている。もちろん、スポーツ中継などで放送時間がずれた場合の自動追従にも対応する。
ジャンルや出演者、キーワードなどで番組を探せる検索機能に加え、過去の録画履歴や検索履歴からユーザーの好みを予想し、「おすすめ番組」として自動でピックアップしたり、さらにピックアップされたおすすめ番組を自動録画する「おすすめ自動録画」といった機能も備えている。おすすめ番組の情報は「おすすめ番組ガジェット」としてサイドバーに表示され、ガジェットから直接番組表を呼び出せるなど、予約録画の機能はよく練られている印象だ。録画履歴や検索履歴が増えるほど、おすすめ番組の抽出精度も上がるので、長く使ううちに使い勝手が増していくのもうれしい。
こうして蓄積した録画済み番組の視聴もDigitalTVboxを使う仕組みだが、目的の番組を探すのが大変なときは、録画済み番組の検索機能が便利だ。また、別途プリインストールされている「3D MediaSurfing」を使いこなす方法もあるし、「おすすめ番組」として自動録画された番組は、後述の「おすすめコンテンツメニュー」にも表示されるので、こちらを利用するのもよいだろう。
録画した番組のメディア保存については、BD-RE(BD-AV形式)もしくはDVD-RAM(DVD-VR形式)への書き出しに対応する(下位モデルはBD-REに非対応)。DVD-RAMに保存する場合は、当然ながら標準解像度(SD)のMPEG-2に再エンコードする作業が発生する。エンコード時間は再生時間の2倍程度だ。
編集の機能はなく、メモリカードに書き出して携帯端末で視聴するといった機能も見当たらないが、プリインストールされた「BD-MovieAlbum」(BD-REのみ対応)や「Ulead DVD MovieWriter 5 for FUJITSU」(BD-RE/DVD-RAM両対応)を使えば、ディスクを直接操作する形で録画済み番組のカット編集には対応できるので、手間さえ惜しまなければ、CMを削除して保存版ディスクを作ることが可能だ。なお、両メディアに書き出した番組の再生はWinDVD for FUJITSUで行うが、前述の編集ソフトで設定した分割点やチャプターの情報はきちんと反映される。
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