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黒く光るAVアンプ、パイオニア「VSA-LX51」をこねくり回すロードレビュー(1/2 ページ)

» 2008年08月18日 16時10分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 今年の夏休みはテレビでオリンピック観戦という人も多いだろうが、電子番組表を見るとあちこちに「5.1」と記述されていることに気づくだろう。今回の北京五輪では、地上/BSデジタル放送のAAC 5.1チャンネルサラウンド放送が本格的に運用されていて、対応する機器があればより“臨場感”を楽しめる。

photo パイオニア「VSA-LX51」

 弊誌でも直前企画としてお手ごろ価格のサラウンドシステムを数多く紹介したが、どうせ自室のAV環境を再考するなら、Blu-ray Disc(以下、BD)のHDオーディオを含めた形でシステムアップを検討したいという人も多いはず。そこで今回は、パイオニアから発売された「VSA-LX51」を例にして、最新AVアンプの基本的な機能から付加機能までを検証していく。

黒く光るAVアンプ

 VSA-LX51は、Dolby TrueHDやDTS-HD MA(マスターオーディオ)のデコーダーを搭載し、HDMI入力を3系統備える“イマドキ”の7.1チャンネルAVアンプだ。定価15万円とミッドレンジの安いほうに位置しているが、同時に同社“KURO”シリーズのエントリーモデルという位置づけも担っており、フロントパネルはプラズマテレビと同様の光沢ブラックに塗装されている。なお、ほぼ同じ設計のシルバーモデル「VSA-1018AH」(11万5000円)もラインアップされていて、アンプ出力、HDMI入力の数、アップスケーラの有無といった違いがある(→詳細は関連記事を参照)。

 サイズは、420(幅)×433(奥行き)×173(高さ)ミリ。AVアンプとしては決して大きい方ではないが、高さはDVDレコーダーの1.5倍程度はあると思っていい。フロントパネルにはインプットセレクターとボリュームをシンメトリーに配置した。前面入力端子はアナログAV入力と光デジタル音声入力で、その横にはiPodをデジタル接続できるUSB端子がある。マスストレージクラス対応のUSBメモリなどにも対応しており、記録したMP3やWMAをAVアンプでデコード&再生できる。

photophotophoto iPodのプレイ中は曲名が流れる(左)。前面入力端子はアナログAV入力と光デジタル音声入力。ビデオカメラやゲーム機を接続することが主目的だが、贅沢をいえばHDMI端子がほしいところ(中)

 中央のディスプレイは明るく視認性が高い(明るさは3段階調整が可能)。使用中の入力機器やサラウンドフォーマットといった情報に加え、そのときのスピーカー構成なども表示できるなど、非常に情報量が多い。さらにiPodのプレイ中は曲名が流れるといった機能もあるため、できればラックの中に隠さずに活用したい。

 付属のリモコンは、同社のプラズマモニター「KRP-600M」と共通のデザイン。方向キーなど一部ボタンにシルバーをあしらい、高級感を演出した。

photophotophoto プラズマモニター「KRP-600M」と共通デザインのリモコン(左)。照明ボタンを押すと、方向キーと周囲のボタンが光る(中)。同じKUROシリーズでも「PDP-6010HD/5010HD」のリモコンは使い勝手重視であまり見栄えのしないデザインだった(右)。どちらが良いかは判断の分かれるところだが、同シリーズのユーザー層を考えればデザイン面にこだわるほうが正解だろう

 このリモコンは、プリセットコードを指定するだけでテレビや各種ソース機器の基本操作が可能だ。ボタン数が多く、しかもそれぞれに複数の機能が割り当てられているため、最初は説明書をしっかり読む必要はあると思うが、慣れると手放せなくなるタイプのリモコンだと思う。ただし、3系統のHDMI入力(名称はBD、HDMI1、HDMI2)のうち、HDMI1と2の切替が「HDMI」ボタンのトグル動作になっているのはちょっといただけない。よく利用する入力はボタン1つで選択したいし、学習リモコンのマクロ機能を利用する場合にも不便だ。

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