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25.5型ワイド液晶を一体化したクリエイティブPC――「VAIO type R」2008年PC秋冬モデル(1/2 ページ)

» 2008年09月09日 15時00分 公開
[ITmedia]

ボディもラインアップ構成も一新したtype R

 ソニーは9月9日、液晶ディスプレイ一体型デスクトップPC「VAIO type R」(VGC-RTシリーズ)を発表した。店頭販売向けのラインアップは、動画編集用のビデオエディション「VGC-RT70D」と、写真編集用のフォトエディション「VGC-RT50」の2モデルを用意する。いずれも価格はオープンプライス。量販店での予想実売価格は、前者が40万円前後で11月上旬の発売予定、後者が35万円前後で9月20日の発売予定だ。

ビデオエディションの「VGC-RT70D」は、2基の地上デジタルテレビチューナーやVAIO AVCトランスコーダー、USBジョグコントローラを備えている(写真=左)。フォトエディションの「VGC-RT50」には、遮光フードが付属する(写真=右)

 VAIO type Rはクリエイティブ用途向けのハイエンドデスクトップPC。2008年5月に発売された前モデルまではPC本体と液晶ディスプレイが分離したセパレート型のボディを採用していたが、新モデルでは一転し、25.5型ワイド液晶ディスプレイ一体のボディとなった。

 ボディの変更とともにラインアップも一新している。前モデルは動画編集を重視した仕様で、基本スペックや液晶ディスプレイが異なる3モデル構成だったが、新モデルでは動画編集用のビデオエディションと写真編集用のフォトエディションが用意され、目的別に最適化した2モデル構成となった。

液晶一体型のスリムボディにハイスペックを凝縮

 新開発のボディは本体サイズが661.8(幅)×235.5(奥行き)×439.3(高さ)ミリ、重量が約18.8キロと、単体の25.5型ワイド液晶ディスプレイに迫る設置面積に従来機以上のハイスペックなPCを凝縮している。ディスプレイ部の上下に細長い穴を多数開け、ボディ内部を下から上に空気が通る吹き抜け構造とすることで、システムの放熱に配慮した。画面の位置調整は、上15度/下5度のチルト、左右各45度のスイベル、60センチの昇降に対応する。

VGC-RT70Dの前面と背面。前面から見たボディは、まるで単体の液晶ディスプレイのようだ(写真=左)。キーボードは未使用時にディスプレイ部の下に収納できる仕組み。背面は着脱可能なカバーで覆われている(写真=左)。背面のカバーを外すと、HDDベイやメモリスロット、HDMI入出力などにアクセスできる(写真=右)。2基のHDDベイやメモリスロットはドライバでネジを外してカバーを開くだけでアクセス可能

 基本スペックは、デスクトップPC用のCPU、チップセット、3.5インチHDDと、ノートPC用のメインメモリ、GPU、スリムタイプの光学ドライブを組み合わせている。CPUはCore 2 Quad Q9400(2.66GHz/2次キャッシュ6Mバイト/FSB 1333MHz)、チップセットはIntel P43 Express、GPUはNVIDIA GeForce 9600M GT(グラフィックスメモリ512Mバイト)を採用。メインメモリはDDR2-800 SDRAMを使用し、本体にはPC2-6400 SO-DIMMスロットを4つ用意している。メモリ容量は標準4Gバイト(2Gバイト×2)、最大8Gバイト(4Gバイト×2)だ。

 HDDは回転数7200rpmのSerial ATAドライブを2基内蔵し、容量はVGC-RT70Dが1Tバイト(500Gバイト×2のRAID 0構成)、VGC-RT50が640Gバイト(320Gバイト×2のRAID 0構成)を備えている。2モデルとも、光学ドライブは1層BD-Rに4倍速、1層BD-REおよび2層BD-R/REに2倍速で書き込めるBlu-ray Discドライブだ。OSはWindows Vista Home Premium(SP1)をプリインストールしている。

 インタフェースはUSB 2.0×5、4ピンのIEEE1394×1、eSATA×1、HDMI入力×1、HDMI出力×1、光デジタル音声出力(角型)×1、アナログ音声入出力、メモリースティックPROスロット、SDメモリーカード(SHDC対応)/MMCスロット、CFスロット、ExpressCard/34スロットなどを装備。ネットワーク機能は1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11b/g/n(11nはドラフト準拠)の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDRを持つ。製品にはFeliCaポート付きのワイヤレスキーボードと、スクロール機能付きの5ボタンワイヤレスマウスが付属する。

本体の左右にある各種インタフェースは、手前に少し傾いて配置されており、前方からアクセスしやすくしている(写真=左/中央)。側面にはヘアライン加工のアルミパネルを装着し、高級感に配慮した。付属のキーボードとマウスはデジタル無線方式のワイヤレス仕様だ(写真=右)

一体型ならではの最適化された画質と音質

1920×1200ドット表示の25.5型ワイド液晶ディスプレイは広色域仕様だ

 25.5型ワイド液晶ディスプレイは、解像度1920×1200ドット(WUXGA)のノングレアパネルを用いている。同社が「リッチカラー液晶」と呼ぶ広色域のパネルで、xy色度図上のAdobe RGBカバー率は96%、u'v'色度図上のNTSC比は103%をうたう。WinDVD使用時はx.v.Colorの色域での動画再生が可能だ。

 高画質化技術については、ノイズリダクション、アップスケーリング、高画質I/P変換、シャープネスの4つから構成される「Motion Reality HD」が、DVDやBlu-ray Disc、地上デジタル放送の再生時に働く。従来機のMotion Realityは専用のチップで処理していたが、新モデルではNVIDIAの高画質化技術「PureVideo」を用いてMotion Reality HDを実現する。CPUを使った画像処理技術に比べて、CPU負荷を上げずに映像を再生可能だ。

 また、用途に応じて色設定のパターンを変更できる「色モード」設定機能(いわゆる画質モード)を搭載。標準、テレビ、BD/DVDの3つのモードが用意され、表示するコンテンツに合わせて自動で最適な色設定に変更できる。HDMI出力とHDMI入力を1系統ずつ備え、HDMI入力時はPCの電源がオフでも外部ディスプレイとして使用可能だ(パススルー表示のみで、録画や取り込みは不可)。PC映像とHDMI入力の切り替えは本体右側面のボタンから行える。

 オーディオ機能は、VAIOおなじみのDSD録音/再生対応サウンドチップ「Sound Reality」と、DSP/S-masterデジタルアンプを内蔵するほか、サラウンド音響技術の「Dolby Home Theater」をサポート。液晶ディスプレイの両側面には横幅2センチで出力5.5ワットの新開発ステレオスピーカー「リニアラインドライブ」、背面には65ミリ口径で出力11ワットのサブウーファー「ダイナミクスウーファー」を内蔵する。一体型ボディを生かして、視聴位置に合わせて最適になるように音質はチューニングされている。

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