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パイオニア、セパレート&薄型化したプラズマテレビ“KURO”発表

» 2008年09月11日 19時07分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 パイオニアは9月11日、“KURO”シリーズの新製品として、50V型と60V型のプラズマテレビ「KRP-500A/600A」および50V型プラズマモニター「KRP-500M」を発表した。あわせて、同社初となるHDD/BDレコーダー「BDR-WD700/WD900」(→関連記事)やホームシアターシステムなどもリリース。年末商戦向けに“KURO”ブランドのラインアップを拡充した。

photophoto 「KRP-600A」と「KRP-500A」
型番 概要 価格 発売時期
KRP-600A 60V型プラズマテレビ 94万円 10月下旬
KRP-500A 50V型プラズマテレビ 67万円 10月下旬
KRP-500M 50V型プラズマモニター 60万円前後(※) 10月下旬
BDR-WD900 1TバイトHDD内蔵BDレコーダー 28万円前後(※) 10月上旬
BDR-WD700 500GバイトHDD内蔵BDレコーダー 18万円前後(※) 10月上旬
HTZ-LX61DV DVDプレーヤー搭載5.1chサラウンドシステム 12万円前後(※) 10月中旬
HTP-LX51 5.1chサラウンドシステム 11万円前後(※) 10月下旬
※:オープンプライス

チューナーを別体にして薄型化

 テレビとモニターの計3機種は、6月に発表された「KRP-600M」と同じ第9世代プラズマパネルを搭載している。昨年の製品と比べて黒輝度を5分の1に低減したもので、コントラスト比の数値は非公開ながら10万:1と推測される。

 モニタータイプの「KRP-500M」に関しては、機能的にもKRP-600Mとほぼ同等。細かい画質調整が行える「ディレクターモード」、画面分割センシングによって判別精度を向上させた「リビングモード」などを備えている。入力端子はHDMI×2系統のほか、DVD-D、D-Sub 15ピン、コンポーネント、コンポジットが各1系統。外形寸法は1233(幅)×723(高さ)×64(奥行き)ミリで、重量は31.4キログラム。

 一方、大きくスタイルを変えたのがテレビモデルの2機種だ。新シリーズでは、チューナーや各種インタフェース類を別体の「メディアレシーバー」に集約し、本体とはDisplayPortを独自拡張したケーブルで接続する。これにより、デジタル映像と音声はもちろん、HDMI CECのコマンドや後述のカラーセンサー信号も伝送できるようになった。

 チューナーのセパレート化とあわせ、ディスプレイ部の回路設計や放熱設計なども一新。本体の奥行きを従来機のおよそ半分となる64ミリまで薄くなった。本体部の重量は60V型で49.9キログラム、50V型では31.4キログラムと「壁掛け用途にも対応できる」(同社)。

photophotophoto 「メディアレシーバー」(左)。前面のドア内にもHDMI端子を備えた(中)。背面(右)。ディスプレイ部と接続する専用ケーブルは奥。付属のケーブルは3メートルだが、オプションで10メートルのケーブルも用意する(3万7000円)

 リビングモードは、昨年の「PDP-6010HD/5010HD」に比べて大きく進化している。まず、先に登場した「KRP-600M」と同様に画面をエリア単位で判別し、色合いやコントラストなどをリアルタイムに最適化。内蔵の照度センサーが室内の明るさを判別して輝度や明るさを調節する。

 また新たにリビングモードの分析内容や画質パラメーターなどを表示できる「リビングモードモニター」を用意。オン/オフ機能を使えば、その時みているコンテンツで変化を把握できるという。

 KRP-600Mで採用された「ディレクターモード」も搭載している。これにより、入力信号を忠実に再現することを目指したモニター的な映像設定を利用できるほか、ユーザー自身がディレクターになったかのように詳細な画質調整が行える。

photophoto 画面下部に取り付けられたオプションの「カラーセンサー」(左)。画質調整機能には「ルームライトセンサー」という項目が加わった(右)

 もう1つの新機能として、新たに「カラーセンサー」をサポートした。オプションのカラーセンサーをテレビ本体に取り付けると、室内の明かりの色を計測して画面の色温度を自動調節するというもので、もちろん「リビングモード」との連携も可能だ。「ディレクターモード」時にはオン/オフが選択できるという。

 音質も進化した。アンプ部は、新開発の低歪率薄型カスタムコイルや低インピーダンス電解コンデンサーによって電源を安定化。主に中音域に“音の厚み”が生まれたという。また着脱可能なサイドスピーカーには、同社の高級スピーカー「TAD」のドライバーにも採用されている“コルゲーションエッジ構造”の新ユニットを備えている。ユニット構成は、長円コーン型ウーファーと2.5センチセミドーム型ツィーターの2Way構成で、出力は18ワット+18ワット(6オーム)。

 メディアレシーバーには、地上/BS/CS110度デジタルを各2基と地上アナログのチューナーを搭載。外部入力は、4系統のHDMI(うち1つは前面ドア内に装備)、D4×3、S2×2、コンポジット×2、D-Sub 15ピン。光デジタル音声出力やコントロール端子(SR+)、静止画再生用のUSB端子なども用意しているが、i.LINK出力は省略された。

 そのほかの仕様は下表の通り。付属のリモコンはプラズマモニターなどと共通のデザインだ。

型番 KRP-600A KRP-500A
画面サイズ 60V型 50V型
解像度 1920×1080ピクセル
本体外形寸法(スピーカーあり) 1677(幅)×876(高さ)×64(奥行き)ミリ 1399(幅)×723(高さ)×64(奥行き)ミリ
重量(ディスプレイ部、スピーカーあり) 54キログラム 34.9キログラム
メディアレシーバー外形寸法 420(幅)×80(高さ)×278(奥行き)ミリ
メディアレシーバー重量 4.6キログラム
内蔵チューナー 地上デジタル×2、BSデジタル×2、CS110×2、VHF/UHF
入出力端子 HDMI入力×4、D4×3、S2×2、D-sub 15ピン、光デジタル音声出力、LAN、USBなど
価格 94万円 67万円
発売時期 10月下旬

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