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XDEにスカパー!HD録画、東芝の新「VARDIA」詳報REGZAからムーブも可能に(1/2 ページ)

» 2008年09月18日 20時20分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 東芝は9月18日、DVDレコーダー「VARDIA」の新製品3機種およびHDDレコーダー「D-H320」など5製品を発表した。VARDIAは、既報の通り高画質回路の「XDE」を搭載したほか、10月に放送を開始するスカパー!HDのネットワーク録画機能「スカパー!HD録画」をサポート。同様に同社の液晶テレビ「REGZA」から録画済み番組のムーブも受けられるようになった。

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型番 概要 実売想定価格(オープンプライス) 発売日
RD-X8 DVDマルチドライブ、1TバイトHDD 14万円前後 11月中旬
RD-S503 DVDマルチドライブ、500GバイトHDD 10万円前後 11月中旬
RD-S303 DVDマルチドライブ、320GバイトHDD 8万円前後 11月中旬
D-H320 320GバイトのHDDレコーダー 4万円前後 11月中旬
SD-XDE1 XDE搭載DVDプレーヤー 1万8000円前後 11月中旬

 新VARDIAには、いくつかの特徴的な新機能が搭載された。まず、新しいMPEG-4トランスコーダーの採用による圧縮効率の向上と低ビットレート時のノイズ抑制。「TSEモード」(MPEG-4 AVC録画モード)の記録レートが17M〜2.8Mbpsに拡大し、最低の2.8Mbpsでもフルハイビジョン解像度で記録できるようになった。BSデジタル放送(およそ24Mbps)と比較して「フルハイビジョン7倍記録」をうたう。また、SD解像度ながら2.6Mbps〜1MbpsのAVC記録モードも新設した。

 再生時には、新搭載の「XDE」(eXtended Detail Enhancement)が力を発揮する。XDEは、8月中旬に米国で発売されたDVDプレーヤー「SD-XDE1」に採用されたもので、スケーラーやI/P変換、3次元ノイズリダクション、ディティールエンハンスメントといった機能を統合的に処理するLSI。

 「通常のアップスケーリングでは画像を縦横に引き伸ばしてしまうため、エッジがぼやけてしまう。XDEでは、アップスケール処理の後にエッジ部を動的に判別して強調したうえ、色調整も行う。従来のアップスケールとは異なる高精細な映像を再現する」(同社デジタルAV事業部DAV商品企画部部長附の片岡秀夫氏)。

photo 前面パネル内に「XDE」ボタンを搭載。簡単にオン/オフできる

 XDEは、映像からエッジ成分だけを取り出す精度が技術的なポイントとなる。例えば480iのコンテンツを入力すると、I/P変換で480pのフレームデータを作った後、3次元ノイズリダクションをかけて大ざっぱにノイズを除去する。これを周辺画素演算型ノンリニアスケーリング技術とワイドレンジスケーリングフィルターにより1080pへ拡大。さらにフィルターでエッジ成分を抽出して強調するという手順になるが、このときエッジ成分とノイズを区別してノイズだけを削除できるという。「従来のアップスケーラーではノイズを区別せず、どんなエッジでも強調されてしまっていた」(片岡氏)。

 3次元DNRでノイズを削除した後、エッジ強度に応じたエンハンスゲインを調整し、これを1080Pのフレーム映像に加算する。こうした手順により、周辺輪郭をきりっとさせながら、ノイズの少ない映像が作り出せるという。とくに、比較的情報量の多いコンテンツを“よりキレイに見せる”処理が得意で、横1440ピクセルの地上デジタル放送番組やDVDのパッケージソフトなどに効果を発揮するとしている。なお、液晶テレビ「REGZA」に採用された超解像技術とは、併用するとバッティングすることもあるため、REGZAではアップスケール済みの映像が入力されると超解像処理を行わない設定になっている。

photo 比較デモ。過去の展示会などでハイビジョンの映画素材とアップスケール映像(DVDビデオ+XDE)を並べていたところ、「区別できなかったり、見間違える来場者が多かった」(同社)という
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