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ユーザー視点で複合機をイチから作り直した――エプソン「カラリオ」発表会CMはぐっと大人向けに(1/2 ページ)

» 2008年09月20日 00時00分 公開
[前橋豪,ITmedia]

カラリオの新ロゴを具現化した製品群

セイコーエプソン 業務執行役員 情報機器事業本部長の羽片忠明氏

 エプソンは既報の通り、「カラリオ」ブランドに属する個人向けA4インクジェット複合機/プリンタの新製品を9月19日に発表した。ここでは、同日開催された製品発表会ならびにCMキャラクターに関する記者発表会の模様をお伝えする。

 製品発表会の冒頭では、セイコーエプソン 業務執行役員 情報機器事業本部長の羽片忠明氏が登壇。8月26日にカラリオのブランドビジョンを「写真を美しく彩るプリンタ」から「暮らしをカラフルに彩るパートナー」に変更するとともに、新しいロゴデザインを発表したことについて触れた。

 そのビジョンを実現するために今回投入する新製品に関しては「例年以上に大きな変化があるので期待している」と評価。「この新製品によって、国内のプリンタ市場でシェア50%以上を目指す」と自信を見せた。この「シェア50%以上」という目標は、9月17日に個人向け複合機/プリンタを発表したキヤノンが掲げる目標と同じであり、小差でトップシェアを争った昨年に続き、年末商戦でしのぎを削ることが予想される。

カラリオの新しいロゴは“Colorio”の“i”が「わたし=ユーザー」を表し、その回りに「安心」「快適」「キレイ」「スタイリッシュ」「環境」「未来」の意味が込められたカラーボールを配置した(写真=左)。新製品がカラリオの新ビジョンをどのように実現しているのかを示したスライド(写真=中央)。今後もこの方向性に沿って製品を進化させていくという。年末商戦に展開するカラリオのラインアップ(写真=右)

複合機はミドルレンジの「EP-801A」がオススメ

セイコーエプソン コンシューマー機器事業本部長の遠藤鋼一氏

 続いて登壇したセイコーエプソン コンシューマー機器事業本部長の遠藤鋼一氏は、インクジェットプリンタの市場動向と、より具体的な新製品の特徴を解説した。インクジェットプリンタの世界市場は、成長国市場で順調に伸びているが、日欧米といった成熟国市場では横ばいもしくは減少傾向にある。その一方で国内市場では単機能/ダイレクトプリンタの出荷台数が減少するとともに、複合機と小型フォトプリンタは増加傾向にあり、この2つのカテゴリが成長のカギだとした。

 主力となる複合機のカテゴリについては「これまで機能がよくても市場で受け入れられなかった製品があったのは、技術寄りの製品開発が背景にあり、ユーザー視点での物作りができていなかったからだ」と自己分析し、新製品を「ユーザーの要望に応えるため、カラリオが目指す6つのキーワードを実現し、大きく進化した」と評した。6つのキーワードとは、カラリオのロゴに示された「安心」「快適」「キレイ」「スタイリッシュ」「環境」「未来」といったものだ。

インクジェットプリンタ市場の台数予測を見ると、日本はほぼ横ばいだ(写真=左)。日本におけるカテゴリ別インクジェットプリンタの台数予測では、複合機と小型フォト(コンパクト)が今後も伸びる見通し(写真=中央)。製品開発にあたっては、ユーザーの要望を6つのキーワードに分けて、それらを追求した(写真=右)

 具体例としては、プリントヘッドの目詰まり防止技術で「安心」を、無線LAN印刷や状況表示用のLEDステイタスバー、前面2段給紙機構、ヘッドの改良による印刷速度の向上などで「快適」を、覆い焼き補正に対応したオートフォトファイン!EXを含むEpson Colorの強化で「キレイ」を、ボディデザインの刷新で「スタイリッシュ」を、インクカートリッジのリサイクルや本体の小型化による輸送量の削減、本体の消費電力低減などで「環境」を、テレビプリントや携帯電話からのプリント機能で「未来」をそれぞれ追求したという。

 新製品のラインアップでは、特にミドルレンジモデルの「EP-801A」が「シリーズ内で最も小型で、使い勝手もいい“自信の1台”。迷ったらコレがおすすめ」とアピールした。これら新製品の詳細情報は、こちらの記事を参照してほしい。

「安心」の追求として、プリントヘッドに気泡を除去しやすい機構と自動ノズルチェックシステムを搭載し、インクの目詰まりを低減させた(写真=左)。自動ノズルチェックシステムは目詰まり確認のためにインクの吐出が必要なことから、インクを少しでも無駄にしたくない場合は、機能をオフにすることもできる。前面からアクセスできる給排紙機構(写真=中央)に加えて、左から右に移動しながらボタンを押すことで設定できる操作パネルの小型化や、タッチパネルの採用で「快適」に注力(写真=右)

「快適」の実現としては、異なる用紙を2種類セットできる前面2段カセットの給紙機構や、自動で開閉するCD/DVDレーベル印刷用トレイ(写真=左)、オフィス向けに多ノズルのプリントヘッドを採用した「PX-201」の投入(写真=中央)、写真を2階調化して出力する「塗り絵印刷」や「ノートけい線印刷」の機能(写真=右)も挙げられた

覆い焼き補正に対応したオートフォトファイン!EXを含むEpson Colorの強化で「キレイ」を強化(写真=左)。「スタイリッシュ」にこだわり、リビングに調和するデザインを目指した(写真=中央)。「環境」については、環境活動と経済活動の両立を図る(写真=右)

従来機と比較して、温暖化負荷や消費電力を低減し(写真=左)、小型化と軽量化を果たしたことも「環境」への配慮につながる(写真=中央)。最後のキーワードである「未来」に関しては、テレビプリントの機能「テレプリパ」や、携帯電話から画像を入手してプリントできる「モバプリパ」もコンテンツが増えつつあり、今後の成長が期待できるという(写真=右)

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