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全方位の進化を果たしたパナソニック「DMR-BW930」(後編)BD/DVDレコーダー特集(3/5 ページ)

» 2008年10月23日 12時51分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

DVDにHD解像度で2時間ダビング可能なHLモードを追加

photo 録画予約時の録画モード選択画面。旧モデルに対して「HLモード」が追加された形になる

 では、録画品質を見ていこう。まず注目したいのが、新設された「HLモード」。ハイビジョン解像度でありながら約4.3Mbpsとアナログレコーダーの標準であるSPモード(約4.6Mbps)より低いビットレートになっている。2層のBDメディアを使えば24時間の保存が可能なほか、1層のDVDメディアでも約2時間10分、2層のDVDメディア(対応はDVD-R DLのみ)なら約4時間10分の保存を可能にしている。コストパフォーマンスという点で既にDVDメディアを利用するメリットは薄くなってはいるものの、1層のDVDメディアに2時間超というインパクトは大きい。

 DRモードで録画した番組をHG/HX/HE/HLモードへ画質変換しながらダビングを行って評価に利用した。まず新設されたHLモードだが、HEモードと比較して極端に画質が落ちた傾向は見られず、ブロックノイズが増える傾向も感じない。静止画としてみるとエッジの乱れが一番大きいのも事実だが、HEモードと比較する限り、穏やかなものだ。テロップのようにエッジのはっきりした部分に関してはほとんど乱れも感じない。スポーツ中継などで画面全体がパンするようなシーンでは一瞬アウトフォーカスしたような絵になることもあり、40〜50型クラスのフルハイビジョンテレビで見るとなればアラも目立ちそうだが、そうでなけば十分実用に耐えるだろう。

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photo 上段左から「DR」「HG」、中段が「HX」「HE」、下段が「HL」の各モード。石畳の部分はほとんど動かず、2つの傘が回りながら画面内を移動するシーンの一部を拡大した。ビットレートに応じて傘のエッジやディテールが甘くなり、石畳の質感も変化している。傘や石畳の質感がしっかりとしているのはHXモードまでだろうか。HE/HLモードではディテールの喪失にくわえ、色の乱れも目立ってくる。HEモードとHLモードを比較するとやはりHLモードは情報の欠落が多めだが、比較的動くの大きなシーンを静止画としてみてこの程度であり、実際に動画としてみると大きな破たんは感じない
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photo 上段左から「DR」「HG」、中段が「HX」「HE」、下段が「HL」。画面内を大きな物体が動き、DRモード、つまり放送波レベルですでにエッジの表現が乱れているシーンの一部。右側の物体のエッジや質感はビットレートに応じた変化といえるが、テロップ部分のモスキートノイズはHE/HLモードでも増加する傾向は感じず、それでいてエッジの表現力も保たれ、白い部分への色の混入も少ない
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photo 上段左から「DR」「HG」、中段が「HX」「HE」、下段が「HL」。風景の中を電車が横切るシーンの一部。やはりDRモードがモスキートノイズがもっとも少なくエッジもしっかりしており、手前の草の部分の情報量も多い。ほかの録画モードはビットレートに応じて情報量が滑らかに欠落していくが、電車の部分のエッジはほとんど乱れがなく、窓枠などもしっかりと表現されている。またDRモードからHLモードまで色合いに大きな変化が感じられない点にも着目したい

 また、そのほかの画質モードも1ランク格が上がった印象を受ける。例えばエッジ部のモスキートノイズの目立たなさは再生系の改善(関連記事)による部分も大きいと思うが、動きの激しいシーンなどでも映像としての破たんが少なく、エンコーダーのブラッシュアップが進んだことがうかがえる。

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