地図検索Webサービス「Google マップ」の機能強化が発表された。従来は電車と飛行機にのみ対応していたルート検索機能が、車での移動に対応したのだ。
iPhone/iPod touchからの利用にも対応しており、これまで日本では使用できなかった経路メニューから、ドライブルート検索(車を移動手段しての経路検索)を実行できるようになった。iPhone/iPod touchにはGPS機能が内蔵されているため“カーナビとして使いたい”と期待するのは無理もないことだろう。
しかし、すぐにカーナビとして活用することは難しそうだ。確かにルート検索は可能だが、音声案内機能は実装されていないうえ、車の移動にあわせ地図が更新される機能もない。iPhone/iPod touchで利用する際には、「一般道を優先する」などの検索オプションもない。そもそも、携帯電話であるiPhoneの場合、ナビゲーション機器の画面を注視してはならないとする道路交通法に触れる可能性が高い。現時点では、出発前のルート確認用以上の機能を期待してはいけない。
もっとも、当のGoogleはルート検索機能でカーナビに取って代わろうと考えていないらしい。10月29日に行われた説明会では、日産自動車の情報サービス「カーウイングス」と連携、Google マップのルート検索結果をカーウイングス側で受信して活用する、という既存カーナビを補助する機能が紹介されている。この方法であれば、音声案内などPCやモバイル機器では対応が難しい機能も実現できる。なお、対応メーカー/機種を増やすなど今後の計画は未定だ。
Googleマップでは、「POIX」というXMLベースのフォーマットに沿い地図情報を提供する。現在のところ、対応する機器/サイトは多くないが、今回のGoogleの取り組みにより、採用が一気に広まる可能性もある。POIXデータを配信して店舗までの道順を案内、といったサービスの登場もそう先の話ではないだろう。
執筆者プロフィール:海上忍(うなかみ しのぶ)
ITコラムニスト。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「デジタル家電のしくみとポイント 2」、「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(いずれも技術評論社刊)など。
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