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「フラワーロック」と「R35」が手を組んだこんな時代だから(1/2 ページ)

» 2008年10月31日 03時10分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
photo 発売記念イベントでは、ギタリストのマーティ・フリードマンさんとDJの赤坂泰彦さんが登壇してロックとフラワーロックを熱く語った

 タカラトミーは10月30日、20年ぶりに復活した「フラワーロック2.0」の発売を記念して、“もっとも売れたコンピレーションCD”こと「R35」とのコラボレーション企画を発表した。今回は、1980年代の洋楽ベストヒット。懐かしいけど新しいフラワーロックを見ながら当時流行した曲に浸り、「思い出を楽しむ」という企画だ。

 初代フラワーロックといえば、1988年に当時のタカラが発売したロックな音楽トイ。サングラスをかけ、ギターを手にしたひまわりやハイビスカスが、周囲の音に反応してくねくねとヘッドバンキングする。翌1989年に人気に火がつき、全世界で累計850万個を販売するヒット商品になった。タカラトミー開発本部戦略開発室の小林弘志室長は、「当時は、お店の前で手をたたき、フラワーロックが動くと微笑む――そんな風景をたくさん見た」と振り返る。

 もちろん、良いことばかりではない。前年の1987年にはニューヨーク市場で「ブラックマンデー」といわれる株価の暴落が起こり、世界経済が混乱。日本は1990年ころまで好景気を謳歌(おうか)するものの、バブルが崩壊すると「失われた10年」と呼ばれる長い不況に入る。また、1989年には消費税が導入され、家計を直撃した。

 「サブプライムローンに端を発した世界同時株安、原油高騰に伴う物価上昇など、現在の世相に重なる部分がある。そんな時代だからこそ、音楽と玩具の力で元気にしたい」(同氏)。

photo 初代フラワーロックに囲まれるフラワーロック2.0。第1弾は「ノースポールタイプ」と「コスモスタイプ」の2種類

 復活したフラワーロックは、世相を反映してか、初代よりゆっくりと“癒し系”の踊りを披露する。玩具で初めて平面LEDを使用したハイテク仕様で、花や葉が色とりどりに光る。7種類の動作モードがあり、5段階の輝度切替とあわせて好みのアレンジを楽しめるという。

 フラワーロック2.0のデザインを担当したのはタカラトミーではなく、三洋電機のアドバンストデザインセンターだ。小林氏によると、「インテリアライトとしても長く使えることを目指して三洋電機さんにお願いした。家電ライクな落ち着いたデザインに仕上がっている」。それでも、しっかりサングラスが付属しているあたりはロックだ。「フラワーロックには、これがないと」。

photophoto 20年目のバースデー(左)。タカラトミー開発本部戦略開発室の小林弘志室長(右)

 また、初代は音に反応するだけだったが、今回のフラワーロックは4センチのフルレンジスピーカーと外部入力端子(アナログミニジャック)を備え、それ自体がスピーカーになる。しかも2台のフラワーロックをケーブルで接続すると、左右のパートを分けて音楽をステレオ再生する仕組み。多くのフラワーロックをデイジーチェーン接続して一斉に動かすことも可能だ。タカラトミーでは100台までの連結動作を確認したという(→大人のための「東京おもちゃショー2008」見どころ案内)。

 「今後、オシャレなお店などで大量のフラワーロックが踊る光景を見られるかもしれない」(小林氏)

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