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独自の進化を果たした東芝「RD-X8」(後編)BD/DVDレコーダー特集(4/7 ページ)

» 2008年11月11日 13時27分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
photo これは筆者が既にカスタマイズしているが、プリセットはVR録画のSP/LPのみで、ユーザーが好みに応じて5つの録画モードを設定しておける伝統のスタイル。録画予約ごとに個別の設定もできる。自由度は高いがTSEモードでも目安はほしい

 画質の比較はパナソニック「DMR-BW930」、ソニー「BDZ-X95」のレビューに準じる方法で行った。ただし、この2製品のような録画モードのプリセットがないので、ビットレートは先の2製品の録画モードを参考にして12Mbps、8.6Mbps、5.8Mbps、4.2Mbpsに設定し、さらに6倍録画の3.6Mbps、7倍録画の2.8Mbpsを加えた。ちょっと低い方のビットレートが多くなってしまったが、ダビング先の光学メディアがDVDに限定される本機ではより重要になると予想されるため、あえて省略していない。

 まずRD-S502のレビュー時に気になったブロックノイズはほぼ陰を潜め、レビュー済みのパナソニックDMR-BW930、ソニーBDZ-X95と比較しても気になるレベルではなくなった。とくに低ビットレートではよりバランス指向として見やすさを重視した印象だが、ビットレートが十分なシーンでは情報量に重きを置く点は旧製品と変わらない傾向。情報量としてはDMR-BW930と同等か、上回る感じすら受ける。東芝らしさを残しつつ、しっかりと問題点を改善しきたといえる。

 ビットレートの高い方から5.8Mbpsまではビットレート相応に情報量が減っていく印象で、動画としてハイビジョンらしさも十分確保され大きな破たんも感じない。リーズナブルな1層DVDメディアに約2時間ダビングできる4.2Mbpsではエッジの甘さも情報量の欠落も目立ってくるが、まだハイビジョンらしさは十分残す。ただし、動きの激しい部分が一瞬アウトフォーカスするような見え方も多くなるので、ドラマなどの録画であればハイビジョン録画に十分に使えるかなという印象だ。これが3.6Mbps、2.8Mbpsになると全体がソフトフォーカスしたような印象が強くなり、動きの少ないシーンと多いシーンでの見え方の落差も大きい。さすがに録画する番組は選びそうだ。

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photophoto 石畳の上を2つの傘が移動するシーン。左上からTS、TSE 12Mbps、TSE 8.6Mbps、TSE 5.8Mbpsの順。傘のエッジは少し甘くなるが石畳の質感は5.8Mbpsでも維持されており、比較的万能に使えるのは5.8Mbps程度までか
photophotophoto 左からTSE 4.3Mbps、TSE 3.6Mbps、TSE 2.8Mbps。4.3Mbpsでも傘のエッジがかなり甘くなり、石畳の質感はぎりぎり保っている印象。ビットレートが近いDMR-BW930のHL、BDZ-X95のLRよりも甘めの描写だ。3.6Mbps、2.8Mbpsでは動画としてみてもかなりソフトな描写になる
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photophoto 画面全体での動きが大きくTS録画の段階でもエッジの乱れが大きいシーン。左上からTS、TSE 12Mbps、TSE 8.6Mbps、TSE 5.8Mbpsの順。文字周りのノイズっぽさがちょっと気になるが、5.8Mbpsまで文字に乱れはないしグラデーションの表現もしっかりしている

 

photophotophoto 左からTSE 4.3Mbps、TSE 3.6Mbps、TSE 2.8Mbps。4.3Mbpsでは文字回りのノイズが増加気になり、ビットレートが近いBDZ-X95のLRよりはしっかりとした描写だが、DMR-BW930のHLと比較すると明らかにエッジが甘い描写で、ちょうど中間点といったところ。3.6Mbpsは4.3Mbpsより少しエッジが甘くなったからという程度だが、2.8Mbpsではエッジの乱れも大きくなり、文字も乱れてくる
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