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ぜいたくなエントリーモデル、ソニー「VPL-HW10」特集:30万円で買えるフルHDプロジェクター(1/3 ページ)

» 2008年12月10日 18時31分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 ここ数年で急減な低価格化が進んだうえ、明るさも大幅に向上してリビング用映像機器として魅力的な存在となりつつあるホームシアター用プロジェクター。今回は30万円以下で入手できるエントリーモデルのなかでも、魅力あふれるスペックを誇るソニー「VPL-HW10」をピックアップ、その詳細をリポートしよう。

製品の特徴

photo ソニーの「VPL-HW10」。上下がラウンドしたスタイリッシュなデザイン。エントリークラスとしては少し大きめのサイズとなっているが、設置性は決して悪くない

 ソニーのVPL-HW10(以下HW10)は、この冬新たにリリースされた、ホームシアター用プロジェクターのエントリーモデル。しかしながら低価格機という手抜かりがいっさい感じられない、力の入った製品となっている。

 例えばプロジェクターの心臓部たるディスプレイデバイスには、ソニー独自開発の反射型液晶「SXRD」(Silicon X-tal Reflective Display)を採用。フルHD解像度かつ0.35マイクロメートルの画素間スペースによってメッシュ感のほとんどないなめらかな映像と、2.0ミリ秒以下という高速応答速度によって動画ぼけの少ない映像を実現している。

 さらに随所へ新技術を投入することで、映像の美しさにさらなるスープアップが施されている。まず投射レンズは、フルHD映像に最適化した大口径レンズを新開発。同時に上位モデル「VPL-VW80」にも搭載しているフルデジタルの高画質回路「ブラビアエンジン2」を投入することで、キレのある、色鮮やかで深みのある映像をつくりあげる。また入力信号の輝度レベルに応じて絞りを無段階調整する「アドバンスト アイリス2」と、ランプの光の方向性を整える「ハイコントラストプレート」を組み合わせることで、最大3万:1の高コントラストを実現。幅広い明暗のダイナミックレンジと細やかな階調表現を獲得した。

 このようにハイスペックな内容を誇るHW10であるが、どのくらいすごいか分かりやすく説明するため、昨年発売された同社のミドルクラスプロジェクター「VPL-VW60」とスペックを比較してみよう。両者は反射型液晶パネルは同じもので、ボディーもデザインこそ違えどほぼ同じスタイルを踏襲。しかし、レンズやブラビアエンジンにはさらなる進化が図られており、色彩感や表現力は明らかに向上している。コントラスト比こそ微妙に低下しているものの、1000ルーメンという最大輝度に関しても変わりはない。

photophoto 新開発された大口径フルHD専用の「オールレンジクリスプフォーカス」レンズ。ズームやフォーカスを手動式にすることでコストダウンに貢献している(左)レンズシフト操作ダイヤルはボディ上面にレイアウトされている。しっかりした操作感を持つため微調整もコントロールしやすかった(右)

 ここまで同程度、いやソフトによっては新製品であるHW10にアドバンテージを持たされている状態ながら、VW60に対して実売10万円前後の低価格化がなされている(VW60の価格は44万1000円)。SXRDを使いながら20万円台のプライスタグが付くのは、明らかに“戦略的な価格設定”だ。つまり、われわれユーザーにとっては“お買い得”な機種といえるだろう。

設置性

 HW10の価格にはかなりのインパクトがあるものの、それで実力を読み違えては元も子もない。さまざまな角度から実際の使用感を検証していこう。

photophoto 複雑に交差した局面で構成されるフロントフォルム。上質感漂うスタイルだ(左)。上下がラウンドしたスタイリッシュなデザインを持つHW10のボディ。エントリークラスとしては少し大きめのサイズとなっているが、設置性は決して悪くない(右)

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