Panasonic Corporation of North America(以下、北米パナソニック)は1月7日、「2009 International CES」に先だって行われたプレスカンファレンスで最薄部がわずか8.8ミリというプラズマテレビのプロトタイプを披露した。同社が開発を進めている新世代プラズマパネル技術「Neo PDP」の進化型という位置づけ(→自発光の極み――パナソニックの「Neo PDP」が見えてきた?)。
新しいプロトタイプは、最薄部が8.8ミリ、背面の少し盛り上がった部分でも24.7ミリと薄い。同社では、背面の回路部を集約させることで周辺部を薄くできたとしており、アプローチとしては昨年のCESでパイオニアが展示した厚さ9ミリの50V型PDP試作機に近いといえるかもしれない。
一方、ちょうど一年前の「2008 International CES」で初めて披露した“厚さ1インチ”(24.7ミリ)のNeoPDPパネルは製品化が決定。北米向けのフラグシップモデル「Z1」シリーズとして、この夏に発売される。
“シリーズ”とはいえ、リリースされたのは54V型の「TC-P54Z1」1機種。もちろん1920×1080ピクセルのフルハイビジョン解像度で、コントラスト比は4万:1、動画表示の性能を示す“動画解像度”は、指標の上限となる1080TV本になるという。
またZ1は、WirelessHDを採用するワイヤレステレビでもある。ワイヤレス部は1080pの映像信号を非圧縮で伝送可能で、VIERAリンクのCEC信号もやり取りできる。このため、チューナーを内蔵したメディアレシーバーとディスプレイ本体の2ピース構成となった。また、テレビのユーザーインタフェースから直接操作できるネットワークサービス「VIERA CAST」は、従来の「YouTube」や「Picasa Web Album」などに加え、新たに米Amazonの「Amazon's VOD」に対応するという。なお、Z1シリーズの国内発売については、現在のところ「未定」(同社)だ。
このほか、カンファレンスでは世界初となるポータブル型のBDプレーヤー「DMP-B15」、総画素数915万画素の3MOSビデカメラ「HDC-TM300」、光学70倍のズームレンズを搭載したHDDカムコーダー「SDR-H80/H90」、CEATEC JAPANで公開した家庭用の3Dシアターシステムなどが次々と披露された。既報の通り、3Dコンテンツ制作でコラボレーションするというJames Cameron監督もビデオであいさつ。フルハイビジョンの3Dシステムを家庭へ持ち込むという同社の“本気”がうかがえる内容となった(→CESで新たな展開――パナソニックの「3Dシアター」戦略を聞く)。
北米パナソニックの山田喜彦CEOは、2010年を目標に家庭用の3Dコンテンツをビジネス化していくと話す。「現在の世界経済は非常に厳しい面もあるが、それだけではない。とくに家電――テレビでは3Dなど新しいネタも多い。われわれは家庭用のフルHD 3Dシアターを白黒テレビからカラーテレビへの移行のような“次のフェーズチェンジ”と位置づけている。こうした新分野をできるだけ早く開発し、ビジネスを拡大していきたい」(同氏)。
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