AV機器が高機能化するにつれ、操作の方法も複雑化している。テレビについて言えば、旧来は電源と選局、音量のみが操作できれば良かったものが、多チャンネル放送の一般化やテレビがネットワークコンテンツへのアクセスまで可能となりつつあることで、リモコンのボタン数は増える一方となっている。その解決策のひとつを東芝が展示している。
東芝が展示している「Spatial Motion Interface」(空間モーションインタフェース)は、テレビ上部のセンサーでテレビの前にいる人を認識し、その人の手の動作(モーション)を読み取ることで、コンテンツの選択や、再生/停止、早送り/早送りなどの操作が行える。
同様の“手ぶり”インタフェースは昨年秋のCEATEC JAPANにてパナソニックと日立製作所が展示している。パナソニックは検出に複数のLED光を使うが(日立制作は詳細非公開)、東芝は赤外線センサーを利用する。処理にかなりのプロセッサパワーが必要となるため、当面は「Cell TV」への実装を目指したいという。
ただ、プロセッサパワー以外にも課題はある。ひとつは「どんな人が、どんな場所へテレビを設置しても問題なく利用できるか」という安定性の問題、もうひとつが、「ジェスチャーが操作インタフェースになることを利用者が受け入れるか」という利用者意識の問題だ。前者についてはより調整と改良を進めることで改善を図れるが、後者については同社もまだこの“手ぶり”インタフェースをどのように位置づけるか、検討を重ねている段階にある。
展示については、そのために、あえて適用する範囲を“操作”ではなく“ナビゲーション”を主体にしたというが、本技術の担当者は私見と前置きしながらも、「従来からのリモコンにも良い面はある。おそらくは平行して使われることになるのではないか」と述べた。
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