ここ数年、室内で楽しめる手軽な赤外線コントロールアイテムが人気だ。飛行機やヘリコプター、はては“未確認飛行物体”まで、実にさまざまな製品が登場している。そして1月14日に開幕した玩具メーカーの合同商談会「トイフォーラム2009」では、その極めつけといえそうなアイテム――戦艦「大和」が姿を見せた。
従来の赤外線コントロールアイテムは“手軽さ”が最大のウリだが、今回はテイストがまったく違う。タカラトミーブースで「技MIX 地上航行シリーズ第1弾」と銘打たれた戦艦大和は、昨年の静岡ホビーショーでお披露目して人気を博したというリアル志向の艦船モデル。より製品に近い形となり、またオプションとして販売されるジオラマキット「情景ストラクチャーシリーズ」もそろえた形で展示された。
700分の1スケールの大和は、戦時中の呉軍港を再現した巨大なジオラマの上に浮かんで……いや、のっている。航行中の姿を再現するため、大和は船底部をカットした状態で、裏側には駆動輪が仕込まれているのだ。駆動輪は大和のスクリューと同じ場所にあるため、青い海(本当は板)の上を実際の船と同じような動きですべるように航行できる。
「水のない場所で操船する艦船模型は初めて。絶対に沈みません」。
まさに不沈艦。ちなみに実用新案出願中。
大和の航行する姿にも驚かされるが、近づいてみるとその精巧な造りに改めて目を見張る。各砲塔は旋回可能。測距儀も連動旋回、主砲にいたっては、旋回した上に俯仰角を変えて“発射”できる。もちろん弾は飛ばないが、迫力の主砲発射サウンドが聞こえてくるのだ。これらはすべて専用コントローラで操作可能。赤外線で16チャンネルもの操作が可能になっているという。
外観にも開発陣のこだわりが詰まっている。大和は最新の考証に基づいて作られており、例えば「シールドなし12.7センチ高角砲は保護カバー付きの状態で再現」「25ミリ機銃ブルワークは角型にて再現」「木甲板端のマージン・ブランクまで再現」「主砲・複砲バーベッドの補強板まで再現」などなど、一般人が聞いてもさっぱり分からない説明文が並ぶ。「開発自体はさほど難しくないのですが、とにかく考証に時間がかかって、かかって……。開発期間が延びています」(同社)。
ちなみに大和の航行(移動)速度はスケールスピード(実際のサイズに換算)で最大27.46ノット。これは戦艦大和の最大船速とぴったり一致するという。ここまでくると、もう感心するしかない。
大和は、彩色済みの半完成品として販売される予定だ。参考出品のため、発売時期や価格はまったく未定というが、価格帯は「2万円前後を目指したい」とのこと。また、大和だけではなく、第2弾、第3弾も企画しているというから期待しよう。
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