キヤノンは1月15日、フルハイビジョン撮影が可能なデジタルビデオカメラ「iVIS HF S10」を2月中旬より販売開始すると発表した。価格はオープンで、実売想定価格は16万円前後。
米国で先行発表されInternational CESにも展示されていた、“S”を冠する新シリーズ製品。ハイビジョン映像を内蔵メモリおよびSDメモリーカードに記録する“ダブルメモリー”タイプで、AVCHD規格の上限となる24Mbps記録など「iVIS HF11」の特徴を引き継ぎながらも、より高画質化を志向したモデルとなっている。内蔵メモリの容量は32Gバイト。
58ミリ径(フィルター径)の大口径レンズを搭載することで、一眼レフ用交換レンズをイメージさせるデザインとなったが、ミニライト/フラッシュは未使用時に収納されるため、スッキリとしたフォルムも同時に実現している。
撮像素子は新開発の1/2.6型 859万画素CMOSセンサーで、HF11の1/3.2型 総画素数331万画素から素子の大型化と高画素化を同時に進めた。一般的に画素あたりの面積が小さくなると感度低下による画質劣化の恐れがあるが、新開発のCMOSセンサーでは回路処理技術の改良などにより、高画質化を果たしたという。また、色再現性に優れたRGBベイヤー配列を採用したほか、画素補完も行わない構造となっており、高画素をより生かせる構造となっている。新たにx.v.Colorにも対応した。
画像処理エンジンも「DiGiC DV III」へと進化した。演算性能の向上により階調表現が向上したほか、AE/AFもより高速化/安定化が図られた。ダイナミックレンジも拡大されており、白トビ/黒ツブレも解消されている。また、ついに顔検出機能を搭載し、最大35人までを検出、AE/AFを自動調整して、9人までをフレーム表示する。検出した顔についての追尾も行われる。
外観上でも大きな特徴となっている58ミリ径の10倍大口径ズームレンズは、ワイド端のディストーションが改善されたほかテレ端の防振時周辺光量も改善された。レンズシフト式の手ブレ補正機構は、レンズユニットをガイドバーではなく、ボールで支持する方式が採用されており、高画素撮影時に写りこみやすい細かな振動を制御している。
レンズ脇には使用頻度の高いマニュアル撮影機能をショートカットとして登録できるカスタムキーとカスタムダイヤルも装備。ここには露出ロック/フォーカス/撮影アシスト/マイクレベル/AGCリミットが割り振れる。
ワンアクションで動画/静止画撮影を切り替えられる「デュアルショット」機能も備えた。モードダイヤルをデュアルショットに設定しておけば、「START」を押せば動画、「PHOTO」を押せば静止画の撮影が行える。そのほか、1ショット4秒のショートムービーを撮影し、プリセットされた音楽と組み合わせることで簡単なビデオクリップが作成できる「ビデオスナップ」機能も新搭載している。
液晶は抗反射処理を施した2.7型ワイドの「鮮やかワイド液晶」で、サイズは70(幅)×69(高さ)×136(奥行き)ミリ、約450グラム。
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