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動画で眺める「昭和30年代、銀座4丁目」の風景ギフト・ショー春2009

» 2009年02月09日 19時05分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 昭和の香り漂うギフトショーのバンダイブースの中でも、中高年の男性が常に人垣を作っている一角があった(→レトロなテレビに“田舎のお母さんがはげましてくれる”赤電話――昭和の香りがするバンダイブース)。昭和30年代の活気あふれる銀座を忠実に再現したという「昭和銀座ジオラマ」の展示だ。

photo 昭和30年代の銀座4丁目を再現した「昭和銀座ジオラマ」。当時の看板やネオンは、東芝やパナソニック、雪印など10社の協力で再現。ネオンに遊び心を感じる

 今でも“大人の街”として人気の銀座だが、当時は高度成長期を象徴するような特別な場所だった。それを400×300ミリの卓上サイズにぎゅっと圧縮したのが昭和銀座ジオラマ。作成にあたっては、当時の貴重な写真やフィルム映像、当時の銀座を知る人たちへのインタビューなどを通じて昭和30年代の銀座を詳細に調べたという。

photophoto 当時の写真。映画や歌謡ショーが夜ごと催されるエンターテインメントの殿堂「日劇」ビルは、“王冠”を模した建物を豪華なイルミネーションで飾り、「陸の竜宮城」と呼ばれた

 ビルは今ほど高くないが、そのためか今では考えられないほど大胆なデザインのネオンがきらびやかに光っていた。例えば星の形をしたナショナル(現在のパナソニック)の広告塔。和雑貨の老舗「鳥居堂」ビルの屋上に設置され、時報代わりに親しまれたという。夜になると、延べ1.3キロメートルにおよぶネオン管と3500個もの電飾が光り、夜の銀座を照らし出した。森永の広告塔は、巨大な“地球儀ネオン”。当時、銀座のどこからでも見えたという。

 「今よりも夜が暗かった時代。銀座のネオンの華やかさは街行く人々を圧倒したことでしょう」(同社)。

photophoto ジオラマ全体では、計31個のLEDを使用

 活気に満ちあふれる銀座の街を再現するため、ジオラマには33カ所もの可動ギミックを搭載している。行き交う人々は、揺れるように動くフィギュアで再現。重要な交通手段であった路面電車はNゲージサイズの線路をゆっくりと動く。

photophoto 行き交う人々。街頭がともるのを待っている人もいる
photophoto 月島行きの路面電車

 さまざまなパターンで光るイルミネーションは、LEDの明滅で忠実に再現した。「当時の雰囲気に仕上げるため、例えば地球儀ネオンは特殊な導光板を用いて網目模様の1本1本を光らせています。またコロシアムのような日劇は、その大きさを感じられるよう、道路の反対側からLEDでライトアップしました」。その動きとネオンの輝きは、動画で確認してほしい。

photo ビルの屋上に遊園地。最近では見かけなくなってしまった

 音にもこだわった。台座部分にあるステレオスピーカーからは、雑踏の音や路面電車の走行音、時計台の鐘の音などが流れ、ノスタルジックな雰囲気を盛り上げる。さらに当時の歌謡曲として人気を博した「東京ブギウギ」や「東京ナイトクラブ」を内蔵。これらの音は、独立したスイッチ(これも懐かしいデザイン)で個別にオン/オフが可能だ。アナログピンジャックの外部入出力も用意されていて、外付けのオーディオ機器で音を楽しめるほか、入力した音楽などを“ノスタルジックな音”に味付けする機能まで備えている。

 「収録した音にもこだわりがあります。例えば路面電車の警笛は、実際の音声から収録したリアルなもの。耳をすますと、雑踏に混じって当時のテレビやラジオのニュースも聞こえてくるでしょう」(同社)。

photo スイッチも懐かしいスタイル。音は独立したスイッチで個別にオン/オフできる。“夜モード”に切り替えると、ネオンや街灯、ショーウィンドウなどが輝き、華やかな“夜の銀座”を演出

 昭和銀座ジオラマは、4月10日発売予定。19万8000円と高価な商品だが、“思い出の場所”がまるごと手に入るのなら高くない、かもしれない。

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