日本ビクターといえば、世界初の家庭用HDカメラ「GR-HD1」をはじめ、2007年3月には“Everio”「GZ-HD7」でフルハイビジョン記録の一番乗りを果たすなど、ビデオカメラのHD化を語るうえで外せないメーカーだ。
ここ最近は、コンパクトでしかも手ごろな価格のHDDカメラを積極的にリリースしているが、今春はコンパクト路線を継承したフルHDモデル「GZ-HD300/320」を投入したほか、同社フルHD機としては初めて、記録メディアとしてSDカードスロットを2つ搭載した「GZ-HM200」が追加された。
今回は、120GバイトのHDDを搭載するAVCHD方式の「GZ-HD320」をピックアップしたが、下位モデルの「GZ-HD300」(HDD 60Gバイト)とはHDD容量が異なるだけなので、予算や必要な容量にあわせて選ぶとよいだろう。なお、昨年秋のモデルは、AVCHDに加えてMPEG-2での記録にも対応していたが、今春モデルはすべてAVCHD専用になった。
まずは最大の特徴であるコンパクトなボディーから見ていこう。今回取り上げなかったモデルを含め、今春のHDD搭載HDカメラの中では最も小さく、特に正面から見たときの幅が非常にスリムなのが印象的だ。
あまりに小柄なため、簡単に落としてしまうことのないよう、グリップベルトにも工夫が施されている。長さをワンタッチで調節できるだけでなく、長く垂れた後ろの部分をハンドストラップとしても使えるのだ。撮影しないときの持ち運びに使えるのはもちろん、ローアングルで子供やペットを撮る時などにも重宝する。
この小さなボディには、カメラとしての基本的な性能の部分でも新たなトピックが数多く盛り込まれた。撮像素子には1/4.1型305万画素のCMOSセンサーを初採用。これに光学20倍とズーム倍率の大きなコニカミノルタ製レンズと、24Mbpsという高ビットレートでの記録を実現した映像処理エンジン「HDギガブリッドPremium」を組み合わせることで、フルHDでの動画撮影を実現している。一方、記録メディアは内蔵HDDのほか、Micro SDHCカードスロットも用意され、どちらのメディアにも動画・静止画の両方を記録可能だ。
AVCHDの規格上限である24Mbpsで記録したデータは、オプションのDVDライター「CU-VD50」などによるDVD保存こそできないものの、アイ・オー・データ機器製のPC用外付けドライブを使えば、Blu-ray Discディスクへのダビングが行なえる。また、同じくアイ・オー・データ機器製の外付けHDDへのダビングにも対応と、PCを使わずにデータを保存する手段が豊富に用意されているのはありがたい。そのかわりなのか、最高画質モードのデータは、筆者が試した限りでは、EDIUS Pro 5やAdobe Premiere Elements 7など、多くのビデオ編集ソフトで正常に読み込むことができなかった。ソフト側の対応も望まれるところだ。
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