新機能や改善点に関してはここまででほぼ触れたので、2008年秋モデルから継承された部分についてもおさらいしておこう。
電子番組表は、フルHD解像度のテレビとの組み合わせも考慮し、最大19チャンネル×12時間の表示が可能。異なる放送波の混在こそできないものの、一覧性の高さは一線級だ。また2008年春モデルから搭載されたチャンネル別表示にも対応しており、最大で7日分×6時間を一覧できる。また任意のキーワードも利用できる番組検索機能や、夜間帯(18時〜23時59分に開始)のドラマやアニメの新番組を自動録画する“初回放送を録り逃さない”ための機能も継承している。
録画の基本機能に関してはとくに変更はない。MPEG-4/AVC録画では、5段階の録画モードが用意されており、すべてフルHD解像度で録画される。またDRモードで録画した番組をHDD内でMPEG-4/AVCの録画モードに変換することも可能で、未使用時(電源切時)に予約実行させることもできる。筆者が確認した限り、画質面もとくに2008年秋モデルからの大きな変更は見られなかったので、恒例の画質チェックは省略させていただく。画質的にはMPEG-4/AVCでも適度なメリハリをもったバランスの良い画質であり、同社らしさは健在といえる。
2番組同時録画時でも機能する自動チャプター機能は、基本的に番組本編とCM間に自動でチャプターを設定するもの。本編とCM間以外にもチャプターが設定されてしまうことが多い傾向は変わっていないが、カット編集の目安にしたり、再生時に本編のみを効率よく見るといった使い方には十分な精度だ。編集機能やダビングに関してもとくに変更はない。プレイリストは非サポートである点や、チャプター単位でのダビングをサポートしないといった点が少々残念といったところだろうか。
マルチタスクに関しては相変わらず優秀だ。ファイナライズを伴わない高速ダビング中であれば、1番組の予約録画は実行可能であり、編集作業中などでも予約録画は問題なく実行される。新機能のワンセグ録画のダビング機能も録画中に実行可能なので、朝の忙しい時間にたまたま予約録画が始まっても、さっとワンセグ番組を持ち出すことができる。
わずか半年でほぼフルラインアップの新モデルを投入した「DIGA」シリーズだが、その進化はまさに同社の攻めの姿勢を感じる内容だ。今回は画質面の改良こそ見受けられないが、それだけ2008年秋モデルの段階で完成度が高かったからともいえる。2009年春モデルでは付加機能の強化が目立つが、操作性の改善、ダビング機能の強化といったレコーダーとしての基本の進化も忘れていない。また、前編で触れたボディーの小型化もトレンドに沿った重要なポイントといえる。
もちろんすべての面で競合他社の製品を上回っているわけではないが、他社製品で高い評価を受けた機能をどんどん取り込む姿勢は歓迎したい。もちろん小手先で他社の真似をしている訳ではなく、レコーダーとしての基本がしっかりしているからこそ評価できるのだ。またYouTube対応などは本来テレビ側の機能といえなくもないが、アクトビラ同様にテレビの買い替えスパンを考慮すれば、数年前に大画面テレビを購入して、しばらく買い替える予定がない人にとっては、結果的にテレビの使い道が増えることになる。
YouTube対応でさらに付加機能の魅力が増したのはもちろんだが、レコーダーとしての機能をみても、自動録画やダビング機能(主にプレイリスト対応)で少々他社の競合製品に見劣りする点がある程度で、完成度はかなり高い。欠点といえるような部分がほとんどなくなっており、従来製品以上に万人にオススメできるBDレコーダーへと進化している。
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