ITmedia NEWS >

シンプルで理にかなったデザイン――フィリップスがヘッドフォンを本格展開

» 2009年03月26日 01時58分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 フィリップス エレクトロニクス ジャパンは3月25日、日本でヘッドフォン事業を本格展開すると発表した。日本総代理店である加賀ハイテックを通じ、4月1日から全国の家電量販店などで販売を開始する。

photophoto ヘッドフォンビジネスの市場規模(左)。同社コンシューマーライフスタイル事業部の俵恵美子事業部長(右)

 フィリップスは、オランダに本拠を置く世界有数の電気メーカー。しかし日本国内では、シェーバーや電動歯ブラシといったヘルスケア商品のほか、B to Bの照明器具や医療機器といった限られた事業しか展開していなかった。このタイミングであえてヘッドフォン事業に参入する理由について、同社コンシューマーライフスタイル事業部の俵恵美子事業部長は、「日本でもデジタルミュージックデバイスの普及により、ヘッドフォン市場は成長傾向にある。日本では3つの事業セクターを展開しているが、さらなる成長を目指してヘッドフォン事業を展開する」と説明した。

 また、あわせて2007年に買収したiPodアクセサリーブランド「DLO」の製品も発売する計画。iPhone 3GやiPod nano、iPhod Touch向けのケースやジャムジャケットなど10種類をラインアップする。「今後はiPodの発売に合わせた製品展開を行っていく」(同社)。

「シンプルで理にかなったデザイン」

 4月に発売するヘッドフォンは、日本の市場性を加味して、インイヤータイプ(カナル型)、イヤークリップタイプ、ヘッドバンドタイプなど、さまざまなスタイルをそろえた。形状はさまざまだが、共通するのは同社のビジョン「sense and simplicity」(シンプルで理にかなったもの)に基づくデザイン。このコンセプトは音響技術にも反映されており、例えば「角度付きアコースティックパイプ」と呼ばれるインイヤータイプの耳に入る部分は、実際に多くの人の耳を検証した結果から導き出した“角度”で設計されたという。これにより、人種や性別、年齢を問わず、音をダイレクトに伝えることができる。

 「すでに欧州でナンバーワンのシェアを獲得しているフィリップスの音響技術で、確実な地位を築いていきたい。2009年の目標は金額シェアで3%。5年以内に10%を目指す」(同社カスタマーマーケティングマネージャーの高瀬淑恵氏)。

photophoto

 主な製品は以下の通り。

「SHE9850」

photo

「SHE9850」は、インナーイヤータイプのトップモデル。8.6ミリ径のバランスド・アーマチュア方式のドライバーと組み合わせ、解像度の高い音を実現するという。ケーブル長は1.2メートルで、コネクタには24金メッキを施している。価格はオープンプライスだが、店頭では1万2800円前後になる見込み。専用のハードケース、3サイズのシリコン製イヤーキャップにくわえ、耳にしっかりフィットする低反発素材のイヤーキャップが付属する。


「SHN2500」

photo

「SHN2500」は、6000円前後で販売されるノイズキャンセリングタイプのエントリーモデル。9ミリ径のネオジウムドライバーを採用しており、再生周波数は40〜20000Hz。2サイズのゴム製イヤーキャップのほか、飛行機の中で利用するためのアダプター、単四形乾電池1本が付属する。


「SHS8000」

photo

イヤークリップ(耳かけ式)にインイヤー型を組み合わせた「SHS8000」。耳に引っかけ、さらに耳に入れることで、満員電車などで引っ張られても外れにくいのが特徴。ドライバーは15ミリ径で、再生周波数は6〜23500Hz。3サイズのゴム製イヤーキャップが付属する。店頭では3480円前後になる見込みだ。


「SHE9701」「SHE9700」

photo

「SHE9701」(白)と「SHE9700」(黒)はインイヤータイプの色違い。10ミリ径のネオジウムドライバーを採用しており、再生周波数は6〜23500Hz。実売5000円前後のボリュームゾーン向け商品となる。


「SHE9620」「SHE9621」

photo

「SHE9620」(クリスタル)と「SHE9621」(パープル)は、女性をターゲットにしたエレガントなインイヤータイプ。8.6ミリ径のネオジウムドライバーを採用し、再生周波数は6〜23500Hz。3サイズのシリコン製イヤーキャップと専用のソフトケースが付属する。店頭予想価格は4000円前後。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.