Blu-ray Discには、「プロファイル」と呼ばれる規格が規定されている。ハード/ソフトを問わず、メーカー各社はこの規格に沿ったBD製品を開発することで、互換性を維持できる。BD-ROMの最新規格は「BD-ROM Profile 2.0」で、それ以前に制定された「1.0」および「1.1」の上位互換性を備えている。
この最新規格には、新たに「BD-Live」という機能が定義されている。インターネット経由で各種データを取得し、外部記憶装置に蓄えることがその概要だ。プレーヤー側に通信機能が必要なうえ、メモリカードなど読み書き可能な容量1Gバイト以上の外部記憶装置を要求されることもあり、BD-Live対応、すなわちBD-ROM Profile 2.0をサポートしたハード/ソフトでなければ利用できない。ファームウェアのアップデートで対応できる機種もあるが、できない機種もあることに留意したい。
BD-Liveの利点は、かんたんにいえば「データを後付け」できることにある。具体的には、BDタイトルの購入者特典として動画や音声を提供したり、クイズなどのインタラクティブなイベントに使用するデータを配布したりなどの用途が考えられる。実際、映画「スターシップ・トゥルーパーズ」のBD-BOXでは、自分の顔写真がはめこまれたキャラクターが戦闘シーンに登場する、というマニアックな特典がついている。特典目当てにBDタイトルを購入するファンも増えることだろう。
実現されてはいないが、ハリウッド映画のBDをオリジナルの音声(英語)のみで出荷し、あとから日本語字幕/吹き替えデータをBD-Liveで配布するしくみを採用すれば、映画の封切りからBDタイトル発売までの期間短縮につながるかもしれない。
PCでつくるBDタイトルも、大きく変わるかもしれない。先日発売されたソニー VAIOシリーズのBDドライブ搭載機には、BD-Live対応のオーサリングソフトが同梱され、再生時にネットワーク上の静止画にアクセスするなどの機能を盛り込んだBDタイトルが作成可能になった。
PCの方がBDレコーダーよりネットワークとの親和性が高いことを考えると、BD-LiveはPC先行で普及が進むかもしれない。
執筆者プロフィール:海上忍(うなかみ しのぶ)
ITコラムニスト。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「デジタル家電のしくみとポイント 2」、「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(いずれも技術評論社刊)など。
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