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ナナオ、映像製作向け22.5型WUXGA液晶「ColorEdge CG232W」実売120万円のハイエンド機

» 2009年04月09日 22時15分 公開
[ITmedia]
「ColorEdge CG232W」

 ナナオは4月9日、映像制作市場向けの22.5型ワイド液晶ディスプレイ「ColorEdge CG232W」を発売した。価格はオープンで、実売価格は120万円前後だ。法人向けモデルであり、同社直販サイトの「EIZOダイレクト」では販売されていない。

 CG232Wは既存のColorEdgeシリーズがカバーしてきた写真や出版など静止画グラフィックス市場向けの基本機能を維持したうえ、動画コンテンツ制作市場向けの機能も追加した新コンセプトの液晶ディスプレイ。映画やテレビ番組などの制作現場における利用を想定している。同社は今後、静止画グラフィックス市場の拡大とともに、動画コンテンツ制作市場への取り組みも強化していくという。

 映像入力端子は、PC接続用のD-Sub(アナログRGB)とDVI-D(HDCP対応)を1系統ずつ備えることに加え、BNCを2系統搭載してHD-SDI/SD-SDIの信号に対応する(10ビット表示対応のデュアルリンクSDI接続時は1系統入力となる)。また、2系統のBNC出力を装備することで、出力されたSDI信号をほかのディスプレイに入力して、複数台で同一画面を確認することも可能だ。USB 2.0のアップストリームポート1基とダウンストリームポート2基も用意されている。

インタフェースは、HD-SDI対応のBNC入出力を装備

 液晶パネルは、画面サイズが22.5型ワイド(可視域対角57センチ)、画面解像度が1920×1200ドット(WUXGA)。約10億7374万色/10ビット(約680億色中/12ビットLUT)の表示に対応したIPSパネルを搭載し、SDI接続時は10ビットでの表示が可能だ。YCbCr 4:2:2、YPbPr 4:2:2、YPbPr 4:4:4、RGB 4:4:4のSDIフォーマットを出力できる。なお、D-SubとDVI-Dでの接続時は8ビット表示だ。

CG232Wがカバーする色域

 EBU、Rec709、SMPTE-C、DCIといった代表的な放送規格の色域とガンマを再現するカラーモードも搭載(静止画向けのsRGBモードも用意)する。Adobe RGBカバー率97%、NTSC比95%の広色域に対応し、EBUカバー率は97%、Rec709カバー率は97%、SMPTE-Cカバー率は98%、DCIカバー率は88%だ。DCIが定めた解像度規格である2K×1K(2048×1080ドット)も表示でき、OSDで表示エリアを移動しながら確認作業が行える。

 既存のColorEdgeシリーズと同様、付属ソフトウェア「ColorNavigator」と別売の測色センサを組み合わせたハードウェアキャリブレーションが可能なほか、SDI入力画面でのキャリブレーションが行える(SDI入力時にColorNavigatorは使用不可)。DVI-D接続でキャリブレーションした結果をSDI入力時に適用することもできる。

 そのほか、動画のぼやけ感を低減させる120Hz駆動での黒挿入に対応し、より正確なグレースケールや色の表示が可能となる3D-LUT、輝度ムラと色度ムラを抑えるデジタルユニフォミティ補正回路を備えるなど、静止画と動画の両方の画質を追求している。

 基本スペックは、輝度が最大380カンデラ/平方メートル、コントラスト比が720:1、視野角が水平/垂直170度(コントラスト比10:1)、応答速度が12ms。スタンド機構は上40度のチルト、左右各35度のスイベル、118ミリの昇降が可能で、100×100ミリのフリーマウント用ホール(VESA規格)も設けている。本体サイズは567(幅)×255(奥行き)×481〜599(高さ)ミリ、重量は約13.4キロだ。

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