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AVメーカーの誇りを感じさせる1台、最高峰ウォークマン「NW-X1000」レビュー(1/3 ページ)

» 2009年04月30日 08時30分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
photo ウォークマン「NW-X1000」(写真は16Gバイトのメモリを搭載した「NW-X1050」のレッド)

 「最高峰」をうたい登場したウォークマン「NW-X1000」シリーズは、「音質」「操作」「画質」「コンテンツ入手」の4つについて最高を目指したモデルとして位置づけられたフラグシップモデルだ。

 音質に関する主な注目点を並べるだけでも、同社デジタルアンプ「S-Master」やデジタルノイズキャンセルシステムの実装を始め、高域補完技術「DSEE」(Digital Sound Enhancement Engine)、ステレオの左右チャンネルを明確に分離する「クリアステレオ」、低音ゆがみを抑制する「クリアベース」といった高音質化機能の搭載が挙げられる。

 ここにタッチパネルを利用した操作性、3型有機ELディスプレイによる「画質」、無線LANとワンセグチューナーを内蔵したことによる「コンテンツ(情報)の入手性」が加わり、“これでもか”と言わんばかりのスペックとなっている。

指先で楽しいタッチパネルUI

 まず手にして感じるのが、意外なほどの重量感。大きさそのものは52(幅)×96.5(高さ)×9.8(奥行き)ミリ/約98グラムとたいていの名刺入れよりもコンパクトではあるが、鉱物をイメージしたという表面加工と相まってか、見た目以上の重量感を放つ。カラーバリエーションはブラックと写真のレッドの2色展開だが、ソニースタイル限定カラーとして「アイスブラック」が用意される。

 大型液晶を搭載してワンセグ視聴にも対応したウォークマンとしては既に「NW-A900」シリーズが存在しているが、新製品はこの既存シリーズとはボタン配列がかなり異なる。タッチパネルを採用したために前面は「HOME」を除きボタンレスとなったが、右側面と上面には再生停止、音量調整やノイズキャンセリングON/OFFなどの利用頻度の高いボタンが配置されており、手探りでの操作も問題なく行える。

photophoto 正面。「HOME」以外のボタンが見えない(写真=左)、タッチパネルを搭載しており触れるだけで操作が可能だ(写真=右)
photophoto 右側面には音量ボタンとノイズキャンセリングのON/OFFスイッチ
photophoto 上側面には再生/一時停止と早送り/早戻しボタン(写真=左)、下側面にはWMポート(写真=右)

 音楽再生については、これまでの添付ソフト(Sonic Stage)利用に加え、Xシリーズではドラッグ&ドロップによる転送に対応した。PCにUSB接続して、ウォークマンの「MUSIC」フォルダへ対応する形式の楽曲をドラッグ&ドロップしてやればよい。階層構造も8階層まで認識される。

 ドラッグ&ドロップのメリットはSonic Stage利用時に比べて転送速度が高速なことと、Windowsならば「マイミュージック」などに構築しているライブラリをそのまま転送できることが挙げられる。デメリットとしては、プレイリストとDRM処理されたファイルを転送できないこと、Sonic Stage上からドラッグ&ドロップしたファイルの管理ができないことなどが挙げられる。

 Sonic Stageとドラッグ&ドロップ、2つの手段のいずれを選択するかは利用スタイルに依存する問題だが、複数の選択肢が用意されていることを素直に歓迎したい。

 再生についての操作方法は、「NW-A900」シリーズとほぼ変わらず。画面中央のアイコンに触れることで再生モードに移行し、曲名やアルバム名、アーティスト名、ジャンルなどから選曲する。タッチパネルの感度は適切であり、約8Gバイトほどの楽曲を転送した状態でも、動作にもたつきは感じられなかった。

 タッチパネルを生かした選曲方法としては、再生中の画面に触れるたのち、指先で上または下へはじくようにするとアルバムがなめらかにスクロールするインタフェースを備えている。iPod touch/iPhoneのCoverFlowの縦版ともいえるが、奥行きがあるようにアイコンサイズが変化するのは見ているだけでも面白い。

楽曲再生中に指を上下にスライドさせると、アルバムアートがスクロールし、そこからの選択が行える。

(ムービーはこちらからでも参照できます)

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