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旅行にも最適な小型ボディとバリアングル液晶――オリンパス「E-620」レビュー(1/4 ページ)

» 2009年05月13日 10時47分 公開
[永山昌克,ITmedia]
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構図の自由度が広がるバリアングル液晶

photo オリンパス「E-620」。サイズは130×94×60ミリで、本体重量は約475グラム。写真はキットレンズ「ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6」を装着した状態

 オリンパスEシリーズの中でも、型番に3ケタの数字を持つモデルは、主にエントリーユーザーをターゲットにし、気軽に持ち運べる携帯性のよさが魅力だ。これまでの製品では、2007年発売の「E-410」(レビュー)とその後継機「E-420」(レビュー)が、奥行き53ミリ、重量380グラム以下という超薄型軽量ボディを実現。また、その兄弟機「E-510」(レビュー)と「E-520」(レビュー)も、手ブレ補正機構を内蔵しながらも、比較的コンパクトなサイズにまとめていた。

 ただ最近では他社のエントリー機も軒並み小型軽量化が進み、単に小さくて軽いというだけではアピールは弱くなっている。そこで携帯性だけでなく、バリアングル液晶による“自由度”と、アートフィルターによる“表現力”という魅力を追加したのが、今年3月に登場した3ケタのEシリーズ最新作「E-620」である。

 E-620のボディは、サイズと重量ではE-420よりもE-520に近い。E-520に比べた場合、ボディの高さはやや増したが、E-420と共通の薄型軽量バッテリーを採用したことで、グリップ部をスリム化し、使用時重量の軽量化を図っている。本体に手ブレ補正機構を内蔵したデジタル一眼レフでは世界最小・最軽量であり、可動式の液晶を搭載したデジタル一眼レフとしても軽量クラスといえる。

 可動式の液晶は、最上位機「E-3」や中級機「E-30」(レビュー)と同じく、左方向に180度まで開き、上下方向に270度まで回転する。横位置と縦位置を問わず、自由なアングルから撮影がしやすい。通常のファインダー撮影に比べて手ブレに対する注意はより必要になるが、ストラップを首からかけ、ボディを下方向に押し付けるようなスタイルで撮ると安定感が増す。

 ちなみに、可動液晶を採用したデジタル一眼には、同社「E-330」やソニー「α300/350」のように上に開くタイプや、ニコン「D5000」のように下に開くタイプもあるが、個人的にはE-620の横開きタイプが最もしっくりくる。細かなことだが、首にストラップをかけて液晶を開いたまま持ち運んでも、勝手に液晶が閉じることがなく、とっさのシャッターチャンスに対応しやすい点がいい。

 ライブビューは、背面ボタンのワンタッチで表示される。キットレンズを装着し、初期設定の状態では、ライブビュー時のAFは「イメージャAF」と呼ばれるコントラスト検出方式のAFが作動する。この方式は、撮像素子上の画像のコントラストをカメラが判断してピントを合わせる仕組みで、合焦速度はのんびりしている。動きのあるシーンを撮る場合は、メニューの設定から「全押しAF」に切り替えるといいだろう。

 ただし、全押しAFはシャッターボタンの半押しでAFロックができず、AF作動時に内部のミラーがぱたぱたと上下するなど使い勝手はあまりよくない。操作感優先ならイメージャAFを、スピード重視なら全押しAFをそれぞれ使い分けたい。

photophoto 2軸回転式のフリーアングル液晶が便利。ヒンジ部の作りはしっかりしていて、回転の操作は滑らかだ(写真=左)、ライブビューでは、測距点の移動や顔認識AF、ヒストグラム表示、方眼表示、部分拡大表示などができる(写真=右)
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