多くの人が間違いやすいのが、時間の見積もりである。「本気出せばこれぐらいで終わる」と甘めに見積もる傾向があるが、そのときに本気が出るという保証はない。
だいたい人間が1つの事にがーっと集中できたとしても、それはせいぜい3〜4時間ぐらいのものではないかと思う。当然それ以上時間がかかる仕事は存在するわけだが、どんなに本気を出してもそのあたりでペースはガクッと落ちる。小さな仕事は、4時間ぐらいの間で片付けられるよう、長い仕事はそのあたりでいったん切れるよう、ペース配分をプランニングすべきだ。
日々のスケジュールは、必ずどこかで破綻する。常に破綻前提で考えておくことが重要である。そしてその押したタスクを、どこかで受け止めるクッションが必要である。
筆者は基本的に夕食以降と土日には、仕事のスケジュールを引かないようにしている。実際にはそこが、押したタスクの受け皿になるわけである。早く終われば休めるし、押したタスクはなるべく翌日に持ち越さないよう、その日の内に決着を付けるよう努力する。
だいたいこんな感じのセオリーでスケジュールを立てているわけだが、年に1〜2回は約束をすっぽかすことがある。その原因は、発注を受けたものの、スケジュールに入れるのを忘れてしまうからである。
メールでリクエストがある場合は忘れないのだが、電話や立ち話など口頭で決まった場合が危ない。また自分の都合では決められず、誰かの都合待ちで保留になっている案件なども、そのまま忘れる危険がある。
したがって、いつでもGoggleカレンダーにアクセスできる環境を持ち歩くことが重要になる。打ち合わせなどでは常時パソコンを持ち歩くので問題ないのだが、立ち話の途中でいきなりPCを取り出すわけにもいかない。
ケータイのWebブラウザでGoogleカレンダーが動けば問題ないのだが、Ajaxが動くブラウザはあまり多くない。今はjigブラウザのプラグインでGoogleカレンダーとの同期可能なものを使って、しのいでいる。そのうちAndroidケータイなどが一般的になってくれば、もう少しスマートな連携ができることだろう。
問題はスケジューラのデキではなくて、タスクをいかに日々と時間に分解できるかである。それと、自分のタスク処理能力を過大評価しないことだ。最終的にはかかった時間の短さより、仕事の仕上がりで勝負すべきであろう。
小寺信良氏は映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作は小寺氏と津田大介氏がさまざまな識者と対談した内容を編集した対話集「CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ」(翔泳社) amazonで購入)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR