レビュー

レビュー:ニコン初のフリーアングル液晶付きデジタル一眼――「D5000」 (1/4)

ニコン「D5000」は、上下左右に動くフリーアングル液晶を搭載したデジタル一眼レフ。静止画と動画の両方を自由な構図で撮影できるほか、上位機から受け継いだ多彩な撮影モードを備える。

可動液晶を搭載した小型軽量ボディ

 ニコンの新しいデジタル一眼レフ「D5000」を使ってみた。昨年2月に発売した初級機「D60」と、昨年9月に発売した中級機「D90」の中間に位置するエントリーユーザー向けの製品だ。

photo ニコン「D5000」とキットレンズ「AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR」の組み合わせ。「AF-S DX VR Zoom NIKKOR ED 55-200mm F4.5-5.6G (IF)」もセットしたダブルズームキットも用意される

 手にした第一印象は、これまでのD60やD90と大きく変わらない。外装は、表面に梨地塗装を施したエンジニアリングプラスチックで、特に高級感はないが、かといって安っぽくもない価格相応の質感だ。デザイン的には、最近の同社製品に共通した、ペンタ部のV字型の切り込みやグリップ部の赤い三角形を継承し、ひと目見てニコン機だと分かる。サイズは、奥行きと高さがD90よりもやや増えているが、全体の体積と重量ではD60やD90のほぼ中間くらいといえる。

 D60やD90と決定的に違うのは、液晶モニターが可動式であること。液晶上部の端にある突起を指で引っ張ると、下方向に最大180度まで開き、さらに左右方向に最大270度まで回転する。そして、ボディ背面の「Lv」ボタンを押すと液晶にライブビューが表示され、液晶画面を見ながらの撮影ができる。

photo 可動ヒンジが下にあり、液晶の向きを上下左右に動かせる

 このフリーアングル液晶+ライブビューによって、ローアングル撮影やハイアングル撮影がずいぶんと楽になる。通常のファインダー撮影では気づきにくい、新鮮な構図を見つけやすいともいえる。液晶をレンズ側に向け、自分撮りをすることも可能だ。また、収納時は液晶面を内側に向けて閉じることで、液晶にキズが付くのを防ぐことができる。

 コンパクト機「COOLPIX」シリーズでは、これまでにもフリーアングル液晶の製品を発売しているが、同社のデジタル一眼レフでは本機が初のフリーアングル対応となる。しかも、かつてのCOOLPIXのように左右開きの液晶ではなく、下開きであることが面白い。

 下方向に開くメリットは、カメラを両手で構えた際に液晶がジャマにならず、ボディをしっかりと支えられること。また、左右開きに比べて、レンズと液晶のそれぞれの中心軸にズレが少なく、ライブビュー撮影時に構図を合わせやすいといえる。逆にデメリットは、雲台の台座が大きい三脚を使った際に、回転に制約が生じる場合があることだ。

 液晶サイズは2.7型で、ドット数は約23万ドットとなる。D90の3型約92万ドットに比べて見劣りするが、表示の色や明るさ、視野角などは良好で、屋外でもまずまずの視認性がある。

photophoto ライブビューには、ヒストグラムや格子線の表示もできる(写真=左)、通常の撮影時は、ライブビューのかわりにインフォ画面が表示される(写真=右)

4モードを選べるライブビューAF

 ライブビュー時のAFは、「顔認識AF」「ワイドエリアAF」「ノーマルエリアAF」「ターゲット追尾」の4モードから選択できる。「顔認識AF」は、コンパクトデジカメでおなじみの機能で、人物の顔を自動検出してピントを合わるモードだ。「ワイドエリアAF」と「ノーマルエリアAF」は、背面のマルチセレクターによって測距点を画面内の好きな位置に動かせるモードだ。

 「ターゲット追尾」は、任意の被写体に測距点を重ねた状態で、マルチセレクターの上を押すと、その被写体にピントが合い、測距点がロックオンされるモードだ。いったんロックした被写体が画面内を上下左右に動いた場合、その動きに追尾して測距点が自動的に動く。ただし、カメラから被写体までの距離が変わった場合にピント位置が自動追尾するわけではない。撮る際にシャッターボタンを半押しすると、再びAFが作動しなおしてから撮影が行われる。

photophoto ライブビュー時のAFモード設定画面(写真=左)、ファインダー撮影時は、4種類のAFエリアモードを選べる(写真=右)

 以上の4モードは、いずれも撮像素子のコントラストによってピントを判断する「コントラスト検出方式」となるため、残念ながらAFスピードは遅い。どのモードでも、シャッターボタンの半押しで測距がスタートするが、ジジジジジーと駆動音が鳴っている間は待たされ、しばらく経ってからピピッという合焦音が鳴る。

 ノーマルエリアAFでの測距時間をストップウォッチで測ってみると、キットレンズの18ミリ側で約2秒強、55ミリ側で約1.5秒という結果だった。同じ条件で、通常のファインダー撮影(位相差検出AF)の場合は、18ミリ側でも55ミリ側でも0.5秒以下と非常に高速だ。動きのある被写体を撮るには、ライブビューよりもファインダー撮影のほうが適している。本機に限らず、現状ではデジタル一眼レフのコントラストAFは動体撮影には向かない。

 ただ、AFは遅いものの、アングルの自由度が広がることや、撮る前に発色や露出を確認できることなど、ライブビューならではのメリットは十分に実感できた。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


Special

おすすめPC情報テキスト

モバイルショップ

ノートモデルが続々と新発売
Core i7搭載ハイエンドノートから激安ネットブックまで!

年度末にまだまだ間に合います
ビジネスユースに最適な小型PCを始め、即納モデル多数ご用意!

キャリアアップ

ピックアップ

news009.jpg 価格比較:高級コンパクトデジカメ09年秋冬モデル、価格を比較
年末商戦向けに展開されている、各社高級コンパクトデジカメの価格を比較した。注目されるのはあえて高画素化の道を選択しなかったモデルだ。

index.jpg ビデオカメラ特集
デジタルビデオカメラは既に“フルHDは当たり前”となってきた。最新機種のレビューでフルHDに次ぐ、新たな選択肢を探してみよう。

news021.jpg 価格比較:「1万チョイまで」で幸せになるカナル型イヤフォン16選
ポータブルオーディオの最も簡単かつ効果的なチューニングはイヤフォンの変更。最近ではバリエーションも充実しており、ちょっと財布のひもを緩めればシアワセになれる。今回は人気のカナル型を集めてみた。

news022.jpg 価格比較:夏の水辺はコレで撮る――今夏の防水デジカメ徹底チェック(後編)
今年は防水デジカメの当たり年。今シーズンに登場した防水デジカメの仕様と価格を比較する。

news065.jpg 価格比較:高級コンパクトデジカメ、価格を比較
最近ではハイビジョン動画や個人認識、さらには超高速連写など、デジタルであることを前面に押し出した製品も増えているが、“撮ることの楽しさ”を前面に押し出した高級コンパクトデジカメもいちジャンルを築いている。各社製品の価格を比較した。

news097.jpg 価格比較:充実のエントリーデジタル一眼、価格を比較
最新のエントリー向けデジタル一眼は撮像素子も10メガを越えたほか、ライブビューやHD動画機能なども備えており、その充実ぶりは目を見張る。お買い得感の高いダブルズームキットで価格を比較した。

news102.jpg 価格比較:ハイアマ向けミドルクラス一眼、価格を比較
撮像素子はAPS-Cサイズながら、各種装備やスペックを充実させた中級デジタル一眼レフの価格を比較した。エントリー向けに比べやや高価にはなるが、いわゆる写真愛好家を対象とした製品だけに、充実した製品がそろっている。

news063.jpg 価格比較:あこがれを手に入れる、フルサイズ一眼の価格を比較
これまでフルサイズ機といえば、プロ向けの高価な製品しか存在していなかったが、今では少し背伸びをすれば狙える。とはいえまだまだ高価。最新価格のチェックは欠かさずにいたい。

news038.jpg 価格比較:エコポイント活用、ハイエンド機も充実の50V型以上テレビ価格一覧
50V型以上ともなると、各社のハイエンドモデルと録画機能付きテレビのオンパレード。プラズマテレビも選択肢が増え、画質・機能ともに充実した製品が並ぶ。

news098.jpg 価格比較:エコポイント活用、満足度の高い46V/47V型テレビ価格一覧
“価格比較”3回目は、46V型と47V型に注目。液晶テレビではプレミアムモデルの比率が高まり、プラズマテレビも選択肢が増えてくる。画質や機能は欲ばりたいが、出費はなるべく抑えたい――そんな人にぴったりのサイズだ。

news111.jpg 価格比較:エコポイント活用、売れ筋40V/42V型テレビ価格一覧
売れ筋の40V型、42V型の薄型テレビからエコポイント対象製品を取り上げ、実売価格を比較する。エコポイントは2万3000点。

news073.jpg 価格比較:エコポイント活用、最新37V型テレビの価格一覧
前回の40V型/42V型に続き、今回は1まわり小さい37V型を取り上げる。最新注目機種の中から、エコポイント対象製品をピックアップ。

news104.jpg 価格比較:エコポイント活用、録画対応モデルも充実の32V型テレビ価格一覧
リビングルームのメインテレビとして、また書斎や寝室におくパーソナルテレビとしても注目される32V型液晶テレビ。ここ1年ほどで倍速駆動や録画機能を備えた製品が増えているのも特徴だ。今回は各社のエコポイント対応製品16機種をリストアップ。

news092.jpg 価格比較:エコポイント活用、個室にちょうどいい26V型以下の液晶テレビを比較
パーソナルサイズと位置づけられる26V型以下だが、最近は上位モデルの機能を一部取り込む形で個性的な製品が増えている。個室やベッドルームなど、シチュエーションに合わせて検討したい。