手持ち夜景モードだとどのくらい違うか。実はこのくらい違うのである。左がISO800で撮った夜景。右が手持ち夜景モードを使い、連写したカットを内部で合成してノイズを減らしたもの。
どちらも三脚未使用。手持ち夜景モードは圧倒的にノイズが少ないのだ。これはびっくりするほど強力。手軽に夜景を撮りたい人はぜひ、である。
それぞれの元データは作例コーナーにおいたのでチェックしてみてください。
この高速連写を利用した「スイングパノラマ」も面白い。サイバーショット「DSC-HX1」で披露されたこの機能は、カメラを動かしている間に高速連写を行い、カメラ内で画像を合成してパノラマ写真を作るというもの。レンズが24ミリ相当の広角になったため、パノラマ写真作成時の画角も広がった。
WX1のカメラとしての基本コンセプトは、従来のサイバーショット同様、フルオート系のお手軽デジカメだ。
「おまかせオート」で撮影すると、マクロ・人物・夜景・風景などを自動判別してくれるし、人物時は2枚撮影して目をつぶってない方だけを記録する(目つぶり軽減)機能も持っている。人物系では、いつでもさっと使えるスマイルシャッター(十字キーにスマイルシャッターが割り当てられている)や特定の人を覚えさせてその人に合わせて撮る「選択顔記憶」もある。
豊富なシーンモードや細かい設定を自分で行えるプログラムモードも持っているが、たいていのケースで「おまかせオート」と「ブレ補正」と「手持ち夜景」の3つを切り替えて使えばOKだ。高感度で高速な新型センサー「Exmor R」を搭載しながら、ハイエンド機ではなく、フルオート系の主力モデルにしてきた点がいい。誰でも意識せず高感度を楽しめるのだ。
「Exmor R」とはいえ、センサーサイズは1/2.4インチなので過剰な期待をしてはいけないが、体感的にはっきり分かるレベルでノイズは減っていた。ISO1600クラスで見比べると、一般的な1/2.3インチクラスのCCDを搭載したデジカメに比べて画質がワンランク違う。これは素晴らしい。それに、バッテリのもちもよい(ちょっと大きめのバッテリを採用しており、CIPA規格で約350枚の撮影が可能)。
多くの主力デジカメが1200万画素になっている中では、WX1(と「DSC-TX1」)は1000万画素とちょっと少ないが、画質で選ぶならこっちである。200万画素の差に惑わされてはいけない。
その上、広角だしコンパクトだし起動も速いし連写は強力だし720pのHD動画撮影に対応しているしで、コンパクトデジカメではピカイチの高性能機である。基本性能が高い広角系デジカメが欲しい人は、まず最初に手にしてみる価値があろう。
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