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“ワンランク上”のハイエンド機――キヤノン「PowerShot S90」レビュー(1/4 ページ)

» 2009年10月26日 08時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 PowerShotにSシリーズが帰ってきたっ。しかもフルモデルチェンジ……というより、前モデルの後継機じゃなくて、まったくの新しいシリーズとして、だ。Sシリーズの「小型軽量の広角系ハイエンドモデル」という路線はきちんと継承しているものの、前作「PowerShot S80」(以下、S80)が登場したのは2005年の秋だったのである。もう4年もたっているわけで後継機というのもヘンだろう。

左が2005年に出た「PowerShot S80」、右が新しい「PowerShot S90」(S90)。間に流れた年月をさておいても、まったく違うモデルなのが分かる。S90の方が薄くてコンパクト

 むしろ、ハイエンドIXY(以前は、1/1.7型クラスのCCDを搭載したハイエンドモデルがあった)の置き換えモデルといった方がいい。大きさも4桁型番のIXYとあまり変わらない。小型コンパクトでハイエンドな撮像素子を搭載したデジカメだ。リコーの「GR DIGITAL」や「GX200」、パナソニックの「DMC-LX3」の競合機と思えばいいかもしれない。

黒くてフラットでクラシックなボディのS90。ストロボは自動ポップアップ/ダウン式とユニーク

前面コントローラーリングの操作感が気持ちいい。

 「PowerShot S90」(以下、S90)の注目すべきポイントは3つある。ひとつはデザインと大きさと操作系といったボディ周り。黒くフラットな携帯性の高いボディに、ダイヤルを2つ設けたこと。面白いのは鏡胴周りのリングがそのまま電子ダイヤルになっていることだ。

横からみると平らなボディにリングがついているという構造がよく分かる(写真=左)、グリップ部の出っぱりはなし。上面には電源、シャッター、モードダイヤルのほか、リング機能設定ボタンが独立して設けられている。これがウリ。電源スイッチはもうちょっと目立っててよいかも(写真=右)

 グリップ部の出っ張りがないので慣れないとやや心許なく感じるが、デザイン的にはスッキリしていてよい。

鏡胴周りのリングと背面のホイールの2つが操作系の特徴。ただホイールはクリック感がないタイプで、十字キーを操作するとき不用意に回してしまうことも。普段は背面のホイールが露出補正に割り当てられている。Sと書いてあるキーはショートカットで好きな機能を割り当てられる。わたしは「i-コントラスト」のオン/オフにした。右側面には各種端子類。HDMIのミニ端子を持っており、そのままHDTVにつなぐことができるのはよい(動画がHDならもっとよかったのに)
RING FUNCキーでリングに割り当てる機能を選択。STDは設定によって自動的に決まる(基本的には、リングがISO感度、ホイールが露出補正)。露出補正に割り当てると、背面のホイールがISO感度設定になる

 鏡胴部のリングは上面の「RING FUNC」ボタンでカスタマイズ可能で、オートの時はステップズームに、それ以外では露出補正、ISO感度、マニュアルフォーカスなどに変更できる。このリングはクリック感もしっかりしており、回していて気持ちよいのが最高。

 ISO感度は1/3段刻みなので(最高ISO3200)、リングを回して細かくセットするのもまた楽しい。セルフタイマー時はこのリングで細かく秒数を指示できるし、シーンモードの「ノスタルジック」ではノスタルジック度合いをリングで変更できる。

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