iPod nanoは新モデルでビデオカメラを搭載してきたが(レビュー前編/レビュー後編)、ウォークマンの新モデルは“カラオケ”を搭載してきた。再生する曲にあわせて歌詞を自動スクロールさせる歌詞表示機能「歌詞ピタ」でどれほど遊べるかを含め、ノイズキャンセリング機能を搭載する上位モデル「NW-S740シリーズ」を試用した。
試用したNW-S744(8Gバイトモデル)は、カード型ボディやボタン配置など全体的なデザインのテイストこそ前モデルにあたる「NW-S730シリーズ」から変更されていないが、十時キーの形状やディスプレイと本体のつなぎ目部分の処理など、各所に変更が行われており、一見した際の印象はかなり異なる。
前述したよう、ボタン配列は既存モデルから変更されておらず、正面には「BACK」「OPTION」ボタンならびに十時キー、右側面には音量調節ボタン、ホールドスイッチが設けられている。下側面にはWM-PORTとストラップホールが用意されている。ディスプレイのサイズは2型で、解像度は320×240ピクセルだ。
再生可能な楽曲ファイルの形式は、ATRAC/ATRAC Advanced Lossless/MP3/WMA/AAC/HE-AAC/PCM。動画ファイルはMPEG-4 AVC/H.264、MPEG-4 SP、WMV、画像はJPEGの再生/表示が行える(WMA/AACはDRM非対応)。転送については、フラグシップモデル「NW-X1000」シリーズ(レビュー)と同様、ドラッグ&ドロップでも行える。
ただ、ドラッグ&ドロップによる転送では、プレイリストとDRM処理されたファイル(Moreで購入した楽曲)を転送できず、また、ライブラリソフト「x-アプリ」からはドラッグ&ドロップしたファイルの管理ができないため、2つの転送方法を併用すると管理上の手間は増える。ドラッグ&ドロップ転送は本シリーズが初の採用ではないだけに、せめてライブラリソフトからドラッグ&ドロップしたファイルが認識できる程度の改良は期待したかった。
前モデル「NW-S730シリーズ」に比べると、画面左上に配置されていた「おまかせチャンネル」アイコンが「ノイズキャンセル」に変更されているが、操作方法そのものにも大きな変更は行われていない。楽曲転送が完了した状態で電源を入れると画面中央に「ミュージックライブラリ」アイコンが現れ、そこからアルバム名やアーティスト名、楽曲名などを選択すると楽曲を再生できる。
既存モデルと若干ながら異なるのが、楽曲再生時に「OPTION」ボタンを押した際の挙動で、「語学学習モード」「DPC(スピードコントロール)」が選択可能になった。前者をオンにするとクイックリプレイとA-Bリピートの設定が可能となり、後者をオンにすると再生速度の変更が×0.75〜×2の8段階で調整できるようになる。いずれも語学学習を主目的とする機能なので、学習教材のリスニング機器として本製品を使う際には重宝するだろう。
そのほか、サブメニュー表示の状態で十時キーの左を押すと、楽曲選択のサブメニューに切り替わる点も既存モデルからの変更点だ。既存モデルでは再生時に十時キーの上下でアルバム名やアーティスト名からのソートが可能だったが、新製品ではこの「再生時の十時キー上下」はアルバム切り替えに割り振られており、新製品のサブメニュー切り替え機能は、このために実装されたようだ。既存モデルの操作になれているとやや戸惑うかもしれないが、これは慣れの範囲内といえそうだ。
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