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USB機器をすこぶる簡単に無線化する「net.USB」とは(1/2 ページ)

» 2009年12月02日 05時30分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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USB機器をネットワーク機器に変える「ETG-DS/US」

photo アイ・オー・データ機器「ETG-DS/US」。本体サイズは50(幅)×100(奥行き)×28(高さ)ミリ、重量約95グラム。消費電流は最大1.5アンペアで、ルーター機器やプリントサーバ機器のように常時電源オンのまま運用する。発売は2009年12月中旬、価格は7400円(税抜き)

 同じ機能・性能を持つ機器と仮定するなら、有線接続と無線接続、どちらが便利だろうか。

 マウスやキーボード、HDDや光学ドライブ、USBメモリ、プリンタ、テレビチューナー、デジタルカメラ、メモリカードリーダーなど、USB接続型の機器はPC向け周辺機器で最も使用機会の多いであろうデバイスだ。このUSB機器の利用シーンをそこそこ安価に一変させる可能性がある新製品「ETG-DS/US」がアイ・オー・データ機器から発売される。HDDや光学ドライブ、プリンタ、地デジチューナーなどのよくあるUSB機器を、ネットワーク接続型HDD(NAS)機器のように“LAN接続対応機器化”できる機能、かつ無線LANの応用で“USB機器をワイヤレス化”できる特徴を備える。

 ETG-DS/USのキモとなるのは、サイレックス・テクノロジー開発の「net.USB」と呼ぶUSB仮想化技術だ。USBインタフェースをLANインタフェースに変換し、LANで信号を伝達。LAN接続したクライアントPC用ユーティリティソフト「net.USBクライアント」経由で元のUSBインタフェースの信号に戻す──といった仕組みで、PCからリモート操作でUSB接続できるようにする。

 同社の過去の製品に、USB接続型のHDDをNASとして使えるようにするLinux搭載USB-LANコンバータ「USL-5P」という機器が存在するが、クライアントPCからは「あたかも普通にUSB機器を接続した」と認識させる仕組みと、ストレージ以外にUSB機器全般も含めてネットワーク化できる点が異なる。また、USBを無線化する「Wireless USB」規格とも異なり、一般ユーザーにとっては正直「最初から、これでよいのでは……」と、改めて思うとあっけなく感じてしまう方法でUSBの無線化を実現する。家庭内のLANが無線化されていれば、使用するPCは何も物理的に接続する必要がない“無線”環境で普通のUSB機器を利用できることになるためだ。なお、サイレックス・テクノロジーからも同等機能を持ち、ベース機器と思われる「SX-3000GB」が2009年12月1日に発売された。

photophoto よくあるUSB機器をネットワーク対応機器に変えてしまう。無線LAN環境で使うと、ノートPCであれば物理的な接続なしにUSB接続型の光学ドライブやHDDなどを利用できるため、利便性がかなり向上しそうだ

 対応OSは、32/64ビット版Windows 7/32ビット版Vista/32ビット版XPおよびMac OS X 10.4〜10.6で、Windows用、Mac OS用それぞれに対応する(信号復元のための)付属ユーティリティソフト「net.USBクライアント」が付属する。※対応OSの記述誤りがありましたので修正しました

 このため、クライアントPCに該当するUSB機器を使用するためのドライバがインストールされていれば、原則としてそのまま利用できるとしている。ETG-DS/US経由ではじめて使用するUSB機器は、普段、PCにUSB接続した場合と同様にドライバをインストールする旨の告知ウィンドウ、あるいはドライバのインストール画面が表示される(ただ、USBキャプチャー機器など一部のデバイスで動作しないものもあるようだ。同社製USB製品においては、検証・解決次第、ファームウェアの更新などで随時対応していく予定とのこと)。

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