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Samsungら中韓勢も3Dに本腰――シャープもBD内蔵3Dテレビを準備2010 International CES

» 2010年01月10日 22時37分 公開
[小山安博,ITmedia]

 ソニーとパナソニックを筆頭に日本メーカーが3D対応テレビを本格的に訴求していく中、韓国メーカーのSamsung ElectronicsとLG Electronicsも3D対応テレビを発表している。やはり、今回のCESにおけるテレビは3Dが話題の中心だ。

 Samsung Electronicsは、LEDバックライトを搭載した「LED TV 7000/8000/9000」シリーズに2D-3D変換を行う3Dプロセッサを搭載。Blu-ray 3D規格を含む複数の3D規格に対応しているという。Ethernet経由でのネット接続もサポートし、「Samsung Apps」と呼ばれるウィジェットを搭載。NetflixやAccedo Broadband、Picasa、Twitterなど、さまざまなコンテンツをテレビから利用できる。

photo Samsungの3D対応テレビ。リアルタイムで2Dと3Dの切り替えが可能

 さらにプラズマテレビの8000/7000/6500シリーズも発表しているが、このうち8000/7000シリーズには3Dプロセッサを内蔵し、3D映像を楽しめるほか、LED TVと同じくウィジェットやインターネット接続機能も備えている。

 この3Dプロセッサは、2Dコンテンツをリアルタイムに3Dに変換することが可能で、1ボタンで2Dから3Dに映像を変換し、表示することができる。会場のデモでは、サッカーの映像をリアルタイムに2Dと3Dに切り替える様子を見せていた。

 ソニーやパナソニックなどと同様、Samsungもコンテンツプロバイダーと協力し、3Dコンテンツの拡充に努めていく方針。DreamWorks Animationの「モンスターVSエイリアン」の3D版BDに含まれる、「Bob's Big Break」などのショートコンテンツを提供したり、同じくDreamWorks Animationの「How to Train your Dragon」「Shrek Forever After」をSamsungのTV向けにインターネット配信するなどの協業を行っていく方針だ。

 同じく韓国のLG Electronicsは、最上位モデルの「INFINIA LE9500」シリーズで3Dに対応。インターネット接続機能も搭載しており、NetCastをサポートし、skypeによるビデオチャットやNetflix、Vudu、Napsterなどが利用できるほか、Yahoo! Widgetsをサポートしている。ほかにも、DLNAやWireless HDにも対応する。

photo LG Electronicsの3D対応テレビ

 さらにLG Electronicsは、フルHDの3Dに対応したプロジェクター「CF3D」も投入。世界初の単眼レンズでの3Dプロジェクターだという。2500ルーメン、7000:1のコントラスト比、TruMotion 120Hzの滑らかな映像など、充実したスペックを誇る。2つのHDMI 1.3端子やUSBポートも備えている。

 そのほか、プレスカンファレンスでは出ていなかったシャープの3D対応テレビもブースには展示されており、すでに十分に完成しているように見えた。BDプレイヤーを内蔵している点が大きな特徴だ。説明員は特に発売日について明確には話していなかったが、カンファレンスでは「今年中」とコメントされており、今後登場してくる見込みだ。

photo 参考出品されていたシャープのBDプレイヤー内蔵3D対応テレビ

 ほかにも、中国のTCLやHisenseといったメーカーも3Dテレビを出展するなど、テレビ業界は3Dの本格普及に向けて力を入れている。すでに米国の映画館は3D化が進んでおり、映画「Avator」の人気やBDの3D規格も3D普及の後押しになりそうだが、ユーザーが3Dにどれだけ魅力を感じるか、どこまで3Dコンテンツが増やせるか、といった課題も残る。米Intelが基調講演にてPC上での3D編集デモを行ったが(“3D化”がより高いCPUパワーを必要とする――Intel基調講演)、今後は、3D映像を撮影できるコンシューマ向けビデオカメラなどといった、入り口部分の製品も必要となってくるだろう。

photophoto 中国勢の3D対応テレビもInternational CESには展示されている。左がTCL、右がHisense製

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