安心感といえばもうひとつ、iVISシリーズ初採用となるタッチパネル液晶の存在も重要だ。物理的なボタンを極力排すことで、意図せずボタンを押してしまう心配を軽減した意味は大きい。また、画面を直接タッチできることから、ピントや露出を合わせたい被写体を直感的に指定できる「タッチ追尾」の機能もついに実現している。後発の機能だけに、他社製品の研究もよくなされているようで、デュアルショットでは画面に触れると即座にタッチ追尾が開始される。タッチ追尾自体のオン・オフを設定する操作は必要なく、「カメラを操作している」という感覚を極力意識せずにすむ仕様になっている。
タッチパネルの採用は、撮影時だけでなく、再生時の操作性も大きく変えた。とくに、撮影した映像の一覧を日付順で立体的に並べて見せる「3Dビュー」は、iPod touchのような「指をすべらせる」操作によって、目的の動画を直感的に見つけられるのが面白い。
一方で、さらなる研究をお願いしたい部分も。画面左下隅に置かれた「ZOOM」ボタンをタッチすると、ズームボタンと録画開始・停止ボタンが現れるのだが、録画開始・停止ボタンの位置が画面右下隅という、最も押しにくい場所にあるのが残念。グリップの下から右手を通す通常の握り方でカメラを持っていれば、本体背面のボタンを使えばすむことながら、ペットをローアングルで撮る場合など「通常ではない持ち方」をする場合に、手早く操作できるのは画面の右側ではなく左側であることが多いからだ。
昨年モデルで一気に強化された光学手ブレ補正については、ズームの望遠側で安定した映像を得られる「パワードIS」が追加された。液晶モニターの左側にただひとつ用意されたボタンを押している間だけ、手ブレ補正をさらに強力にかける機能で、遠くで立ち止まっている子どもを撮ったりするのに活用できる。
このパワードISはボタンの位置も絶妙で、このボタンを押している間は左手で液晶モニターを支えることになるから、カメラの構え方自体が安定度を増すという効果も得られる。ただ、パワードISがオフの状態でも、より強力な補正を行なう「ダイナミックモード」は若干強力すぎる印象で、カメラの動かし方によってはやや不自然な動作も見られた。
他社製品に比べて課題とされてきた暗部画質の根本的な改善は今回も見送られたが、外部センターによるすばやく的確なオートフォーカスや、何より精細な細部描写と自然な色再現というiVISシリーズならではの特徴は健在だ。
今回はデュアルショットを中心に、iVIS HF M31の使い勝手を試したが、こだわりオートやタッチ追尾の精度が高いだけでなく、前述の気配りが利いて、撮影中に感じる安心感では頭ひとつ抜けていると感じた。タッチパネルによる新たなインタフェースも、一部に課題が残るものの、撮影を楽しく進められる要素としてポイントが高い。難しいことは考えないで被写体に集中できる1台だ。
1991年7月17日生まれ、東京都出身、AB型。チョコレート大好き(1日約1キロ食べています)! 動画共有サイト「zoome」で「チョコ姫★倉岡生夏」ムービー日記更新中
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