ITmedia NEWS >

ピクサーの10作目――「カールじいさんの空飛ぶ家」本山由樹子の新作劇場

» 2010年02月22日 09時02分 公開
[本山由樹子,ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

カールじいさんの空飛ぶ家(Blu-ray Disc)

photo

 「トイ・ストーリー」から出発したピクサーの記念すべき10作目「カールじいさんの空飛ぶ家」が4月21日に通常版とコレクターズ・ボックスの2種類でBlu-ray Disc化。ピクサー長編として初の3D版が作られたが、今回は2D版での発売となる。

 通常版は本編BD、特典BD、本編DVDの3枚組。特典映像として短編アニメーション「晴れ ときどき くもり」「ダグの特別な1日」、南米ベネズエラ冒険記、未公開シーン「チャールズ・マンツのエンディング」「結婚生活」、製作の舞台裏「異色のヒーロー」「犬のキャラクターたち」「探検家ラッセル」「伝説の鳥」「カールじいさんの家」「風船と飛行」「音楽」、プロモーション映像、オリジナル版劇場予告編、スクリーンセーバー、シネマ・ナビゲーションを収録。また本編DVDではピート・ドクター監督と共同監督ボブ・ピーターソンによるオーディオ・コメンタリーが楽しめる。コレクターズ・ボックスは2000セット限定で、価格は1万290円。3枚組の通常版に、豪華装丁のアートブックと、オリジナル・プレミアのスカイドームを同梱している。

 78歳のカールじいさんは、風船売りの仕事を引退し、亡き妻エリーとの思い出が詰まった家で、孤独な余生を過ごしていた。自宅の立ち退きを要求されるが、老人ホームへの引越しに抵抗を感じた彼は、ふとエリーとの約束を思い出す。それは南米にある伝説の滝「パラダイス・フォール」へ旅すること。カールじいさんは家にカラフルな風船をつけて空を飛び、いざ南米を目指す。家は無事に離陸するが、近所のラッセル少年も乗っていて……。

 監督は「モンスターズ・インク」のピート・ドクター。家がふわりと浮かび上がる感動的なシーンで描かれた風船の数は2万622個。そして家が空を飛んでいるシーンでは1万297個の風船が描かれている。この1万297個という数は、実際に建築家に家の構造を検証してもらった上で、家を飛ばすことができるリアリティがある数字だという。1週間の作業でできるのは、たった4秒分のアニメーション。スタッフの頑張りに頭が下がります。

 特にアニメ好きというわけではないけれど、ピクサー魔力はやっぱりスゴイ。何がスゴイって冒頭の10分。カールと妻エリーの出会いから別れまでがセリフもなくシンプルに、走馬灯のように描かれ、これだけで見る価値は十分にあり。思い出が詰まった家具を捨ててまで家を空へと飛ばすシーンは、涙なしにはみられない。

 目的地の滝に着いてからはドタバタ冒険ものにシフト。このあまりのギャップに好き嫌いが分かれそうだが、それでも愛想ゼロのカールじいさんと丸顔のラッセル少年の親子のような絆や、愛嬌たっぷりの犬と極彩色のオトボケ鳥の絶妙な活躍など、元気と勇気がもらえて、オールターゲットに訴求できる仕上がり。さすがピクサーと思わせる快作だ。

関連キーワード

Blu-ray | 映画


カールじいさんの空飛ぶ家(Blu-ray Disc)
発売日 2010年4月21日
価格 4935円
発売元 ウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント
販売元 ウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント
スタッフ 監督:ピート・ドクター/共同監督:ボブ・ピーターソン
声の出演 エド・アズナー、ジョーダン・ナガイ、ボブ・ピーターソン
上映時間 96分(本編)
製作年度 2009年
画面サイズ ビスタサイズ
ディスク仕様 片面2層/3枚組
音声 (1)DTS-HDマスター・オーディオ/5.1chサラウンド/英語 (2) DTS-HDマスター・オーディオ/5.1chサラウンド/日本語
特典 短編アニメーション/南米ベネズエラ冒険記/未公開シーン/製作の舞台裏/プロモーション映像/オリジナル版劇場予告編/スクリーンセーバー/シネマ・ナビゲーション

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.