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楽曲再生と音声通話のバランスに優れたヘッドセット 「MM 80 for iPhone」iPod Style

» 2010年03月18日 20時04分 公開
[戸津弘貴,iPod Style]
iPod Style

 ゼンハイザーコミュニケーションズの「MM 80 for iPhone」は、過去にレビューした同社製イヤフォン「CX 6 Travel」をベースに、ヘッドセットとしての機能を追加した楽曲再生と音声通話時の音質のバランスに優れたiPhone 3G/iPhone 3GS用としても最適な製品である。

photo 「MM 80 for iPhone」

 ヘッドセットを利用する利点としては、携帯電話を手に持って通話する時と比較して、両手が自由に使え、姿勢が安定するのでほかの用件を行えることだろう。クルマの運転(会話に集中しすぎないよう注意)や、買い物などで両手がふさがっている場合、子どもを抱きかかえている場合など、携帯電話を手にして通話しにくい状況で効果を発揮する。オーディオヘッドセットは、通話だけでなく、音楽再生用ヘッドフォンとしても使える機能が加わっており、より便利になっている。

可搬性に優れる、コストパフォーマンスの高いカナル型ヘッドセット

 ベースモデルの「CX 6 Travel」は中級機以上にカテゴライズされるモデルで、高品質なサウンドが楽しめる製品。MM 80 for iPhoneで新たに用意されたヘッドセットのマイク部とコントロールボタンは分離型となっており、胸元などにとめておける。

 ハウジングは薄くフラットで、装着感は高い。複数の形状、素材、大きさのイヤーピースが選択可能で女性の耳にもフィットするほか、多くの人にとって最適な装着感を提供する。イヤーフックが付属しており、これにケーブルをはめ込ませて耳の裏側に引っかけるようにすることで、落下防止や装着安定性向上が見込める。薄くフラットな形状は、持ち運び時の収納性にも貢献しているように思う。

 音質的には、ベースとなった「CX 6 Travel」同様に解像度が高くサラウンド感を感じる音作りとなっている。低音を中心に中音域にかけて豊かに出ている感じや高音域の安定感も変わりない。ボリュームを上げて音圧をかけてもビビリや音割れがしにくいのも、コンパクトなハウジング形状としては及第点をつけられる。もともと耳に収まりやすい形状なので、着信時の操作などでコントロールボタンを操作するなどしても外れにくく、ヘッドセットのベースモデルとして「CX 6 Travel」を選択したのは正解だったと思う。

 リモコンとマイクは、中間部にあるコントロールユニットにまとめられている。イヤフォンのケーブルはショートタイプで、延長ケーブルにコントロールユニットが付属する。マイクは、ちょうど胸元にクリップで留めるような形になり、通話時のノイズも少なく音声もクリアに伝えられる。このリモコンとマイクの先に別なヘッドフォン、イヤフォンを接続する事も可能なので、気分や用途に応じて交換してもいいだろう。イヤフォンは、ステレオミニジャック付きのBluetoothヘッドセットなどに接続して使ってもいいだろう。

 多種多様なイヤーピースやオプション類は、ハイエンドユースにも耐えうるカスタマイズ性を持っている。これから高品質なヘッドフォンを試したいという人にとっては、このような豊富なオプションがリスニング環境の最適化の役に立つ。高品位なヘッドフォンとiPhoneでの使用に便利なヘッドセットが一体になっており、ヘッドフォンとヘッドセットと別々に買ったり、ヘッドセットアダプタを別途購入するなどの場合に比べてお買い得と言う意味でもオススメできる。

 コンパクトなキャリングケースや航空機用の変換アダプタが付属しており、モバイル用途に適する。キャリングケースはヘッドフォンを収納した後でもスペースに余裕があるので、クリーニングツールや予備のイヤーチップなどを収納する事も可能だ。

 実売2万5000円前後の価格ながら、豊富なオプションや製品の質感、音質など総合的に見ても価格以上の満足感が得られる。iPhoneを単に通話などだけでなく、音楽や映像の鑑賞も高音質で楽しみたいと言う人には最適なモデルと言えよう。また、保証期間が2年間と通常製品よりも長期間なのも安心して使える要因のひとつで、総合的な満足感は高い。

 なお、切り替えスイッチを一度押すと楽曲の停止、再生(着信を受ける、電話を切る)だが、ダブルクリックすると再生している曲をスキップするという操作になる(これは多くのヘッドセットにて共通する操作)ので、簡易的なリモコンとしても使えるところが嬉しい。

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