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新世代パネルがBlu-ray搭載“AQUOS”にもたらしたもの録画機能も強化(1/3 ページ)

» 2010年04月28日 16時07分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 シャープが発表した“LED AQUOS”の新製品「DX3シリーズ」は、Blu-ray Discドライブを搭載した“録画テレビ”だ。次世代パネルとして登場したUV2Aが、わずか半年ほどの間に製品バリエーションを広げ、もう1つの製品トレンドである録画対応テレビと合体した。さらに、録画やネットワーク関連機能の強化など、新しいフィーチャーも多分に盛りこんでいる。担当者の話を交えつつ、詳しく紹介しよう。

photophotophoto “LED AQUOS”の新製品「DX3シリーズ」は、32V型〜52V型までの4サイズをラインアップ

 “LED AQUOS”DX3シリーズは、32V型〜52V型までの4サイズ。スロットインタイプのBDドライブを搭載し、Blu-ray Discの再生や録画が行えるという商品コンセプトは従来と同じだ。異なるのは、直下型のLEDバックライトとUV2Aパネルを採用して画質向上と省電力化を図ったこと。

 UV2Aとは、UV光によって液晶分子を精密に配向できる“光配向制御技術”「Ultraviolet induced multi-domain Vertical Alignment」を採用したパネルのこと。など複数挙げられるが、中でも画質面に効いているのが、高速応答性。そして従来は不可欠だったリブやスリットといった内部構造をなくしたことだ。余分な構造物がなくなり、光の透過量が増すと同時に、それらに起因していた“光漏れ”も抑えられ、黒を黒として表現できるようになった。これに白のピークが伸びるLEDバックライトを組み合わせ、コントラストの大幅な向上を実現している。

photophoto 従来機との機能比較(左)。UV2AパネルやLEDバックライトに加え、映像エンジン「高画質マスターエンジン」やスキャン倍速など、現行AQUOS最高レベルの機能を盛り込んだ(右)

 DX3シリーズの場合、40V型以上はパネルのネイティブコントラスト(スタティックコントラスト)が5000:1。テレビセットとして動かしたときのダイナミックコントラスト(テレビコントラスト)は200万:1となる。また、バックライトスキャンと倍速駆動を組み合わせた“スキャン倍速”を搭載。これもUV2Aの特長である4ミリ秒という高速応答速度とあわせ、動画ボケを抑えた。

 そしてポイントは、BDドライブを備えていること。シャープAVシステム事業本部・液晶デジタルシステム第1事業部商品企画部の渥美忠道係長によると、「BD一体型のDX3シリーズでは、コンテンツの情報を得て、画面をより細かく制御します。映画などもさらに黒が締まった映像で観ることができます」という。

photophoto 向かって右側面にスロットインタイプのBDドライブを搭載(左)。シャープAVシステム事業本部・液晶デジタルシステム第1事業部商品企画部の渥美忠道係長(右)

 一方の省エネという点では、同サイズの従来機に比べて年間消費電力量を30%削減している。「昨年の32V型と同じ消費電力(電気代)で40V型が楽しめます」(渥美氏)。

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録画機としての機能アップ

 DX3シリーズでは、録画機能にもいくつかのアップデートが加えられた。大きなところでは、MPEG-4 AVCトランスコーダーの世代が新しくなり、従来の最大7倍録画から、最大8.5倍録画となったこと。同社製BDレコーダー「AQUOSブルーレイ」は最大10倍録画になっているため、世代としては1つ前にあたるものの、2層50GバイトのBDメディアを使用すれば最長36時間の録画が可能だ。「例えば、NHKの大河ドラマは本編が45分で48話前後。つまり、1年分の大河ドラマを1枚のBDにまるまる収録できます」(渥美氏)。

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