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ソニーの“新世代”Blu-ray Discレコーダー詳報全機種Blu-ray 3DとBDXL対応(1/2 ページ)

» 2010年08月27日 12時14分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 ソニーは8月26日、Blu-ray Discレコーダーの2010年秋モデル6機種を発表した(→ソニー、Blu-ray 3D規格対応のブラビアなど10機種を発表)。全機種でBlu-ray 3DBDXLをサポートしたほか、録画ユニットの区別をなくした新システムも新しい。「国内市場における3D対応レコーダーでナンバーワンポジションを目指す」というソニー入魂のBDレコーダー新製品を細かく見ていこう。

photophoto 「BDZ-AX2000」と「BDZ-AT900」。それぞれ従来機の「BDZ-EX200」や「BDZ-RX105」などのテイストを継承している
製品型番 BDZ-AX2000 BDZ-AX1000 BDZ-AT900 BDZ-AT700 BDZ-AT500 BDZ-AT300S
内蔵HDD 2Tバイト 1Tバイト 500Gバイト 320Gバイト 500Gバイト
チューナー デジタル3波×2 デジタル3波
発売日 9月25日 10月22日
実売想定価格 27万円前後 20万円前後 15万円前後 11万円前後 9万5000円前後 9万円前後
全機種アナログチューナーは非搭載

 ラインアップは、筐体の違いで大きく2つに分かれる。最上位モデルの「BDZ-AX2000」と「BDZ-AX1000」は、アルミ素材の天面とハーフミラーのフロントパネルを組み合わせた重厚な外観。天面から正面までを一体化したアルミ素材でカバーすることで、フロントパネルを開けたときも高級感を損なわない。アルミ板の厚さは、天面が4ミリ、前面は2.7ミリ厚という。

photophoto 「BDZ-AX2000/AX1000」は、天面から前面にかけて1枚のアルミ材で覆うようなスタイルに仕上げた。ブラックアルマイト・ヘアライン処理で高級感を演出する(左)。足も太い(右)

 一方、薄型デザインのスタンダードモデルは、HDD容量の違いで「BDZ-AT900」「BDZ-AT700」「BDZ-AT500」の3製品をラインアップした。フロントパネルは、上下に光沢ブラック仕上げとヘアライン仕上げと分け、高さ56ミリという“薄さ”をさらに強調する。また、同系統のデザインを採用したシングルチューナー機の「BDZ-AT300S」は、業界最薄の高さ49.5ミリとなっている。

 全機種共通の仕様としては、冒頭で触れたようにBlu-ray 3Dの再生、大容量規格のBDXLの記録/再生サポートが挙げられる。ダブルチューナー機はすべて2番組同時のAVC録画に対応し、スカパー!HD録画もサポート。ただし、内蔵チューナーで2番組録画中はスカパー!HD録画は働かない。このほか、自動録画の「x-おまかせ・まる録」やDLNAサーバの「ソニールームリンク」といった機能もダブルチューナー機共通の仕様だ。

[お詫びと訂正:記事中、ソニールームリンクで2ストリーム送出可能と記載しておりましたが、同時に再生できるクライアントは1台の誤りでした。お詫びして訂正いたします]

ユーザーを待ちかまえる「瞬間起動モード」

 「瞬間起動モード」は、電源ボタンを押して約0.5秒という短時間でレコーダーが起動する新しいスタンバイモード。「レコーダーは起動が遅い」というユーザーの不満を解消するために用意されたもので、ボタンを押すと“ほぼ瞬時”に画面が現れる。

 ただし、利用できるのは1日最大6時間までという制約がある。設定メニューから「学習」(使用状況の履歴から自動設定)あるいは「時間帯」(2時間ごと3つまで任意で指定可能)を指定しておくと、ユーザーがよく利用する時間帯を狙ってレコーダーは瞬間起動モードに移行し、待機する仕組みだ。

photophotophoto 「瞬間起動モード」の設定画面。「時間帯」では、任意の時間帯(2時間ごと)を3つまで指定できる

 時間制限を設けているのは、瞬間起動モードの待機消費電力が20ワット前後で動作中(22ワット前後)とあまり変わらないため。消費電力を抑えるスタンバイモードというより、利用頻度の高い時間帯に合わせて本体を“ほぼ起動状態”にしておくタイマーのような機能といえるだろう。

 一方、消費電力を極力抑える「低消費待機モード」も別途用意している。こちらの消費電力は、わずか0.08ワット。電源オンから起動までの時間は約50秒となるが、それでも従来機より20秒は短い。また従来機ではHDMIリンクもオフになってしまったが、今回はリンク機能が使える設定も用意している。その場合の消費電力は0.23ワットとなる。

録画の制約を激減させる新世代AVCエンコーダー

 新世代のAVCエンコーダーは、最大11倍の長時間録画に対応する。11倍といえば、平均ビットレートでは約2.18Mbps(表記上は約2Mbps)だが、映像のシーンによってビットレート配分をダイナミックに制御する「新ダイナミックVBR」の精度を向上させたほか、画面内において人間が最も注目する部分を画像解析によって割り出し、そのエリアに対して優先的にビットレートを割り当てる「ビジュアルアテンション」と呼ばれる機能を導入して効率的なビットレート配分を可能にした。例えば、人の顔はだれもが着目する部分。そこでサイバーショットやハンディカムでおなじみの「顔検出技術」をエンコーダーに搭載し、顔を認識するとそのエリアの情報量を増やす仕組みとした。

 「ビジュアルアテンションは、とくに長時間モードで録画する際に良い結果をもたらす。11倍モードでも映像の破たんが少ない」(同社)。

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