かつてない漆黒と輝く白、新開発「S-LED」が実現した“光のコントロール”とはWooo 「ZP05シリーズ」を山本浩司が斬る!(1/2 ページ)

「S-LED」(スリムブロックLEDパネル)と呼ばれる新型パネルにより、目の覚めるようなコントラスト表現を獲得した日立の<S-LED>Wooo ZP05シリーズ。この「S-LED」を細かく見ていくと、興味深い事実が浮かび上がる。AV評論家・山本浩司氏が、「S-LED」の仕組みと映像表現を詳しく紹介する。

» 2010年09月10日 00時00分 公開
[山本浩司,PR/ITmedia]
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photo AV評論家の山本浩司氏。1958年生まれ。AV専門誌2誌の編集長を務め、2007年にフリーとして独立。画質と音質にこだわり、精力的な論評活動を展開している

 この秋、目の覚めるようなコントラスト表現を獲得した液晶テレビが、“Wooo”に登場する。

 日立コンシューマエレクトロニクスが独自に開発した「S-LED(スリムブロックLEDパネル)」を搭載する「ZP05シリーズ」は、映像の重要なリソースである“発光”を細かくコントロールすることで、白ピークの伸びた明るい映像と沈み込むような漆黒を確かなリアリティーを持って描き出す。しかも余分な発光を抑えるため、消費電力の低減にも一役買うという。この興味深い新技術が盛り込まれた「ZP05シリーズ」を細かくチェックする機会を得たので、その仕組みを分かりやすくお伝えしたい。

photo <S-LED>Wooo ZP05シリーズは、42V型の「L42-ZP05」(10月下旬発売)と37V型「L37-ZP05」(10月中旬発売)の2モデルで展開される。価格はどちらもオープンプライス

 「ZP05シリーズ」は、両モデルとも視野角の広さで知られるIPSアルファテクノロジの「フルHD IPSαパネル」を採用している。日立技術陣は、家族でさまざまなコンテンツを楽しむリビングユースにふさわしい液晶機を開発したいという思いをずっと抱いていたようで、コントラスト表現を向上させ、奥行き感とリアリティーの高い映像を、みごとに今回新開発の「S-LED」を搭載した「ZP05シリーズ」で結実させたわけである。

 「ZP05シリーズ」のバックライトに用いられている光源は白色LEDである。2年ほど前までは液晶テレビのバックライトはCCFL(冷陰極管)と呼ばれる螢光管が使われることが多かったが、この春以降、大型機ではもうLEDタイプが主流となった。その理由は主に3つある。CCFLに比べて低消費電力化が図れること。高速発光・消灯が可能なため、高度な光のコントロールによる高画質化が図れること。それから環境面に負荷をかけないことである。実際、環境規制がもっとも厳しい欧州では、2013年以降はCCFL使用の液晶テレビを発売することができないと定められている。こういう時代の流れを考慮すると、これからはすべてのサイズの液晶テレビがLEDに変わっていくと予想される。

光を操る「S-LED」

 さて、これまでLEDバックライトの配置法にはエッジライト型と直下型の2種類があった。エッジライト型は、LEDをパネルの上または下、あるいはその両方に配置して導光板を用いてパネル全体を光らせるという手法。画面各所できめ細かく光を制御できないが、消費電力を抑えられ、ディスプレイ本体をより薄く仕上げることもできる。いっぽう直下型は、LEDの数を増やして明るくできる。また、画面を分割すれば、光をきめ細かく部分制御でき、コントラストを飛躍的に高めることができる。

photo 「L42-ZP05」に見入る山本氏※

 日立は、そのどちらでもない第3の道を選んだ。それが日立オリジナルのLEDバックライト方式、スリムブロック型を採用した新パネル「S-LED」である。この「S-LED」を細かく見ていくと、じつに興味深い事実を発見する。

 通常テレビメーカーは、カラーフィルターを組み込んだパネルセルとバックライトを抱き合わせた液晶モジュールを供給元から購入してテレビセットとして仕上げるのだが、「ZP05シリーズ」では、パネルセルのみをIPSアルファテクノロジから仕入れ、そこに日立オリジナルのスリムブロック型LEDバックライト・ユニットを組み合わせるという手法が採られる。

 では、じっさいにスリムブロック型では、バックライトがどのような仕組みになっているのだろうか。

※画面はハメコミ画像です

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