明かりはもっと便利になる、シャープLED照明の秘密とは?LEDだから実現できること(2/2 ページ)

» 2010年09月17日 00時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR
前のページへ 1|2       

明るさ約1.6倍を実現

 この夏に発売された新製品では、発光効率がさらに向上した新たなLEDデバイスが採用されている。新しいデバイスでは、素子の数も増やし、効率も上げて、従来の1.6倍の明るさを達成した。この明るさは現時点では業界最高で、下半球光束は白熱電球の60ワット形に相当する。

photo E17口金タイプの「DL-JA51N」。従来の約1.6倍という明るさを実現した

 「E17口金タイプについては、従来モデルの明るさが足りないという声をいただいていたので、光量の大幅な向上を目指しました。500ルーメンを達成したDL-JA51Nのモジュールは、LED素子と流す電流のバランスを考慮し、発熱を抑えています。その結果、密閉形器具にも対応しました」(桃井氏)。

 E17口金タイプについては、シャンデリア電球タイプも新たに追加された。こちらはクリアカバーと光拡散レンズを採用することで、直進性の強いLEDの光を集光・拡散する。白熱灯の輝きが忠実に再現されているため、電球が露出するタイプの器具に取り付けても違和感はない。

 このほかE26口金タイプについても、スタンダードタイプの新製品「DL-LA81N」で820ルーメン、調光器対応の「DL-LA8AN」で810ルーメンと、いずれも業界最高の明るさを達成している。

 「LEDの発光効率はどんどん向上していて、進化は予想以上に早いです。進化に合わせて商品を提供していきたいと思っています」。

約1/2軽量化の秘策

 もう1つ注目されるのが、E26口金タイプの大幅な軽量化だ。新製品の重量は「DL-LA61N」「DL-LA41N」「DL-LA42L」「DL-LA32L」が約85グラム、「DL-LA8AN」「DL-LA81N」「DL-LA6BL」「DL-LA62L」が約90グラムと、100グラムを切る軽さになった。

 「以前は高級感を重んじて、電球のカバーにガラスを使用していましたが、“重い”という声をお客様からいただき、軽くて割れない電球を作ろうということになりました。そこで工夫したのがヒートシンクの軽量化です。アルミ製ヒートシンクの加工方法を、厚みが必要となる鋳造(ダイキャスト)方式ではなく、薄く仕上がるプレス方式に挑戦しました」(桃井氏)。

 プレス方式で加工すれば確かに薄くはなるが、複雑な形状ものを作るとなると鋳造方式に比べて難しくなり、そこが課題となる。

 「ツルツルしたものならプレス方式でも作りやすいのですが、放熱効果を高めるためにヒダを入れて表面積を増やそうとすると、厚みに強弱が出てヒビが入りやすくなります。そこをアルミのメーカーさんと共同で話し合いながら作り込んでいきました」。

 さらにもう一点工夫したのが“ネジ”だ。新製品はネジの点数を大幅に減らし、突起の組み合わせによってはめ込み式とした。「LEDモジュールもネジは使わずに上から樹脂で押さえつけることで固定しています。これにより製造時の組み立てやすさも向上し、コスト削減にもつながりました」。

 アルミ製ヒートシンクとネジの削減に加えて、カバーをガラス製から樹脂製に変えることにより、総重量は従来に比べて最大約1/2となった。もちろん樹脂にはガラス製と同じ効果を持つ拡散材料が練り込んであり、色味や光の広がりに不自然さは見られない。カバーを樹脂製にすることで、割れにくく、扱いやすい電球となった。

“丸型”実現のポイントは“八角形”

 業界初となるLEDシーリングライトは、蛍光管のシーリングライトに比べて最厚部43ミリ、最薄部は8ミリという薄型デザインを実現している。従来のシーリングライトと同じように天井の引掛シーリングやローゼットに取り付けるだけで使えるので、簡単に置き換えが可能だ。この薄さを実現するために、開発にあたっては数多くの課題をクリアしなければならなかった。

photophoto 調色・調光機能付きのLEDシーリングライト「DL-C501V」(〜12畳用)は9月17日に発売予定。価格はオープンプライス(左)。家庭用のJIS規格シーリングローゼットに対応する(右)

 「もっとも苦労したのは、全体のデザインを丸形にすることでした。LEDは点光源なので、どんな形にも作れますが、モジュールを作ろうとすると基板を使わなければならず、基板を使うとなるとどうしても四角くなるので、全体のデザインもスクエアになってしまいます。そういうデザインもあり得るとは思いますが、やはりシーリングライトは円形のほうが受け入れられやすいだろうと。そこで丸くするためにはどうすればいいのかを、色々と試行錯誤しました」(桃井氏)。

photo LEDシーリングライトを真横から見たところ。最薄部は8ミリという薄型デザインを実現した

 LEDシーリングライトの断面カットモデルを見ると、四角いLEDモジュールが八角形の形状で配置されている。モジュールから発した光はアクリル製のレンズで拡散されて、反射板で光を散らして均一に丸く光るように設計されている。

 「レンズを使った直下型とか、LED AQUOSのように導光板を使って多方向から全体を光らせたりとか、最初は色々と検討したのですが、八角形の配置方式がもっとも効率が良く、これでいこうということになりました。やはり効率において蛍光灯には勝たなければいけないということで、それを最優先したわけです」。

photo LEDシーリングライトの断面カットモデル

「エコあかリズム」の10変化

photo 調色・調光モデルのリモコン。全灯、消灯、調光などの基本的なボタンはリモコン表面に用意。フラップ内には各種の設定用ボタンを備える。お出かけ中の防犯に使える「留守タイマー」も装備

 蛍光灯のシーリングとの違いは薄さだけではない。重さにおいても蛍光管のガラスを使っていない分だけ軽く、4キログラム以下に抑えてある。また、「DL-C501V」「DL-C301V」「DL-C302V」の3モデルに搭載された調色機能も、LEDならではの機能だ。白熱電球に近い暖色系から寒色系まで、10段階で光の色が変えられる。

 「蛍光灯でも暖色と寒色を切り替えられるものはありますが、2種類の蛍光管を異なる位置に取り付けているため、色を切り替えると光源の範囲が変わり、見え方がまったく違ってしまいます。LEDシーリングライトなら、光源の位置が変わらずに光の色だけを変化させることができます」(桃井氏)。

 内部のLEDモジュールを見ると、暖色系と寒色系の素子が交互に配置されており、2つの色を混ぜ合わせることで調色している。10段階の光色それぞれにおいて10段階の調光が可能で、さらに常夜灯においても10段階の調光が可能だ。光色と明るさの組み合わせは計110通りとなり、細かい選択肢の中から好みの光を選べる。

 前述したようにシャープは事業ビジョンとして「環境・健康事業」を掲げているが、このLEDシーリングライトも環境だけでなく健康にも配慮されている。1日の光を自動的に調色・調光する「エコあかリズム」という機能が搭載されているのだ。

 「人が起床するタイミングや、ご飯を食べるタイミング、寝るタイミングなどを考慮して、さらにサーカディアンリズムに沿った色味に合わせることで、昼間は明るい寒色系の光、夜は明るい暖色系の光、就寝前は明るさを抑えた暖色系、夜中は常夜灯と、時間帯ごとに自動的に調色・調光をします。色や光量が変わるときは時間をかけて少しずつ変化します」。

photo 朝は明るい寒色系の光
photo 夕方は暖色系の光
photo 就寝中の常夜灯
photo 「エコあかリズム」は、一日の光を自動的にコントロールして自然な生活リズムを作り出す。通常の100%点灯に比べ、消費電力を約65%カット

 サーカディアン・リズム(概日リズム)とは生物に備わっている昼と夜の周期リズムで、光色や光量を調節することでこのリズムを整えるのに有効だという。起床時には寒色系の光を浴びて目覚めを良くし、夜は暖色系にすることでくつろいだ雰囲気を演出することで、生活のリズムを作り出し、健康に役立てようというコンセプトだ。

 「エコあかリズム」のほかにも、目の順応特性を考慮して明るさを抑える「エコ調光」や、周囲の光を検知して余分な明るさを抑える「エコセンサー」という機能も搭載されている。これら3つの機能を組み合わせることで、最大約65%の省エネになるという。

 調色・調光機能付きのLEDライトというと、シャープが2009年に発売した電球タイプの「DL-L60AV」が思い浮かぶ。電球でありながら、付属のリモコンで明るさや色を変えることができる。他社にはないユニークな機能を持ったLED電球ということで注目を集めたのは記憶に新しい。

 「DL-L60AVは『電球の形をした照明器具』という位置付けで作った商品です。LEDでなければできない機能を盛り込むことで、LEDの可能性を提示しようと思いました。今回発売したLEDシーリングライトは、まさにDL-L60AVを発展させたもの。基本的なコンセプトはすべてつながっています」(桃井氏)。


 “LEDならでは”の特性を生かし、電球や照明器具に新しい付加価値を加えてきたシャープ。その可能性は、LEDの進歩とともに大きく広がっていくことだろう。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2010年10月7日