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ヴォーカルに最適化された低価格モデル、TDK“CLEF-P VOCAL Tuning”「TH-EC40」お年玉で買えるカナル型イヤフォン特集

» 2011年01月17日 14時10分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 TDKブランドでデビューした「CLEF-Pシリーズ」は、エントリークラスの価格帯に位置するカナル型イヤフォンだ。サウンドチューニングシリーズと銘打ち、「VOCAL」「LIVE」「MEGA BASS」という3タイプの異なるサウンドチューニングを施しているのが最大の特長となる。また各チューニングごと3色ずつのカラーバリエーションがあり、合計すると9タイプが用意されている。

カラーバリエーションはブラック、ライトブルー、ピンクの3色

 エントリーモデルといえる低価格製品ながらも、その作りはなかなかの凝りよう。新構造のハウジングはアルミ製で、ドライバーも専用開発されたもの。それらをベースに、3タイプの異なる音色傾向を実現している。

製品バリエーションとして「LIVE Tuning」「MEGA BASS Tuning」があり、それぞれ3色をラインアップ。低価格ながらアルミボディーの質感がなかなか

ユーザビリティー

 オーバールタイプというなかなかユニークなケーブル断面形状をもつため、それほど絡まることもなく、絡まってもすぐにほどくことができるため確かに扱いやすい。付属のイヤーチップにXSサイズが用意されていることも、女性には嬉しいかぎりだ。アルミボディーを持つカナル型のため、音漏れはほとんど気にする必要はない。使い勝手の点では、なかなか良好なレベルだ。

絡まってもすぐにほどくことができるケーブル(左)。イヤーチップにはXSサイズも用意されている(右)

 一方でカラーバリエーションの用意もうれしい。今回取り上げるボーカルチューニング・バージョンでは、ブラック、ライトブルー、ピンクの3色を選択できる。

サウンドの特長

 低価格帯の製品でまともな音質や帯域バランスを持つ製品を探し出すのは結構難しいものだが、そういった点でこちらは貴重な存在といえる。根本的なサウンドクオリティーはそれほど高くないものの、チューニングが巧みで、制御の行き届いた整いのよい音がする。帯域バランスは中域重視の自然派で、低価格モデルにありがちな過剰なエフェクトによるごまかしもなく、ボーカルやメイン楽器の演奏が素直に楽しめる。価格の割に解像度感もそこそこ確保されており、楽器同士の分離や演奏の細かいニュアンス再現も比較的良好だ。

 ちなみに他のバリエーションモデルはというと、LIVEは騒音レベルの大きい屋外でもなかなか迫力あるサウンドを聴かせてくれるものの、VOCALに比べると解像度感で劣り少々荒々しくなった印象、MEGA BASSはヒップホップ系や最新Jポップなど以外ではバランスが崩れすぎてしまうことから、曲調に対する汎用性が低いように感じた。特にMEGA BASSの低音は、エフェクトが強すぎることからあまりお勧めはしない。VOCAL、LIVEの2つから自分好みの製品を選ぶのがよいだろう。

音質評価
解像度 (粗い−○−−−きめ細かい)
帯域幅 (ナロー−−○−−ワイド)
帯域バランス (低域重視−○−−−フラット)
音色傾向 (ウォーム−−○−−クール)

メーカー TDK(イメーション)
製品名 CLEF-P VOCAL Tuning”「TH-EC40」
型式 ダイナミック型
ドライバー 10ミリ
音圧感度 102 dB/mW
再生周波数帯域 20〜2万Hz
インピーダンス 16オーム
コード長 1メートル
プラグ 3.5ミリステレオミニジャック
価格 オープン
関連リンク メーカーの製品情報ページ

試聴環境

アルティメットイヤーズの「TripleFi 10」

 今回の試聴には、リファレンスとしてアルティメットイヤーズの高級機「TripleFi 10」を使用した。こちらは発売されてからしばらく経過しているモデルだが、フラット&ワイドな帯域特性やダイナミックでリアリティーの高い音色、ひずみなく整った帯域バランスなど、いまでも多くの人から人気を集めている。こちらをフルマーク(音色傾向に関してはちょうど中間)と考え、各モデルを相対的に評価した。





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