走行させるときは、まず送信機の電源を入れてから本体の電源をオンにする。送信機と本体との通信には赤外線が使われているので、本体の受光部が障害物で遮られるとコントロールが効かなくなるので注意しよう。
送信機はホイールトリガータイプで、トリム調整機能が付いている。最初に走行させるときは、トリム調整を行って、直進するようにダイヤルを回す。あとはスロットルトリガーを引けば前進し、ホイールを回せば左右に曲がる。バックもOKだ。4WDなのでタイヤが前後ともに回り、スピードは遅いが走り方はとても力強い。そしてちょっとした段差などがあっても、ぐんぐん越えていく。これは面白い。
試しにテレビのリモコンに挑戦してみたところ、あっけなく乗り越えた。PCのキーボードの上も楽々である。トラックボールの上を乗り越えようとしたら、さすがに不安定なため転がってひっくり返った。本体が軽いため、転がろうがテーブルから落ちようが致命的なダメージは受けない。仰向けになったらまた正常なポジションに戻せば、何事もなかったかのように走り出す。一見するときゃしゃな印象を受けるが、なかなかタフなやつである。
ワタクシにとっては初めてのロッククローリング体験だが、これは確かに興奮する。ハマる人がいるのもうなずけると思った。大きな段差をいとも簡単に走破する勇姿を見ると、もっと難しい段差を乗り越えたい、とさらに高みを目指したくなる。
一般的なホビーR/Cカーの場合、速さを競ったり、ドリフトの妙技を追究したりするのが定番だが、いずれもかなり広い場所が必要だ。でも、クローリングならモノが散らばった狭い部屋でも十分に楽しめる。かえって散らかっているほうが多彩な障害物があるので楽しいくらいだ。この感覚はクルマというよりも戦車に近い。狭い場所でも楽しめるという点で、実に日本の住宅事情に合った遊びだと思った。
そんなわけでnanoQLOには大満足なわけだが、まったく不満がないというわけではない。ひとつは、傾いた段差などの場合、けっこうあっさりとひっくり返ってしまうこと。ワタクシのテクニックが未熟なのも原因だろうが、段差や坂に対する進入角度を誤ると簡単に転んでしまう。まあこれをテクニックでなんとかするのがクローリングの面白さなのだろう。
もうひとつの不満は、フロント側のリンケージの棒がピロボールからすぐに抜けてしまうこと。走らせているとき何度かピロボールに入れ直さなければならないことがあり、ちょっとイラッときた。あと、これはワタクシの勝手な好みなのだが、ボディのデザインが今ひとつ気に入らない。できれば普通のトラックのような車体もほしい。
なお、すでにネット上では、いち早くnanoQLOを購入したR/Cクローリング愛好家たちによって、nanoQLOの走破性を向上させるノウハウが活発にやりとりされている。こういうチューンアップ情報を集めて自分なりに工夫するのも、楽しみのひとつかもしれない。将来的にマニアックな情報が蓄積されていけば、nanoQLOの世界はどんどん広がっていくと思う。
とにかくnanoQLOの面白さは、実際に動かしてみないと分からない。このサイズでここまでの走破性を実現しているのは圧巻で、段差を越えるときに足回りのメカニズムを見ると思わず見入ってしまう。ふつうのラジコンに飽きた人は、ぜひ1台手に入れてみてはいかがだろうか?
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