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スタジオモニターとしての素性の良さが光る弟モデル、AKG「K601」高級ヘッドフォンを一気聴き! 番外編

» 2011年03月07日 12時57分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 せっかくなので、前回取り上げたAKGの「Q701」に続き、今回同時に試聴機を借用した「K601」についても紹介しよう。

AKGの「K601」

 名前から想像できるとおり、K601はQ701(またはK701)の弟モデルと呼ぶべきポジションの製品で、よりプロフェッショナルユースを意識したキャラクターが与えられている。2パート構造のドライバーやセルフアジャスト機能付き本革ヘッドバンド、ベロア製イヤパッドなどはそのままだが、オープンエアー型のフランジデザインは多少異なり、ヘッドバンドの形状も簡素化されている。カラーバリエーションはブラック1色のみを用意する。

ユーザビリティー

 室内ユース前提の本格スタジオモニターであることは、Q701と同様。235グラムという軽量さとセルフアジャスト付きの本革ヘッドバンド、ベロア製イヤーパッドによる軽快な装着感も、ほとんど変わりない。

ベロア製のイヤーパッドを採用

 ただしケーブルに関しては交換式ではなく、直出しのタイプとなる。とはいえ片方出しのため、実際の使用時に不便を感じることはない。ケーブル素材も高純度OFCやエラスティックシースを採用するなど、音質、耐久性ともに配慮されている。


サウンドの特長

 Q701に対して、良い意味で普通の音。帯域バランスの整いがよく、それでいてワイドレンジ。解像度、分解能、中域の密度感ではQ701に劣るものの、全体のバランス感覚が良いため演奏を隅々まで見渡すことができる。多少冷静に聴こえる傾向はあるが、それはスタジオモニターとしては正しいチューニングといえる。それでもAKGならではの、グルーブ感やノリを損なわず音楽の楽しさをダイレクトに伝えてくれる印象は健在だ。これは低域にスピード感があり、タイミングのそろいが良好なKシリーズならではの特長といえるだろう。

 またQ701ほどの気難しさがないところも利点といえる。一般的な製品に比べれば、ヘッドフォンアンプにそれなりのパワーを求めるものの、RME 「babyface」クラスであれば充分に鳴らすことができる。手軽にAKGの魅力を堪能したい、ということになベストな製品といえるだろう。

音質評価  
解像度 (粗い−−−○−きめ細かい)
帯域幅 (ナロー−−−−○ワイド)
帯域バランス (低域重視−−−○−フラット)
音色傾向 (ウォーム−−○−−クール)

メーカー AKG
型番 K601
型式 オープンエアーダイナミック型
周波数特性 12〜3万9500Hz
感度(音圧レベル) 93dB/mW
インピーダンス 120オーム
ケーブル長 約3メートル
重量 約235グラム
価格 オープン価格


試聴環境

 今回の試聴には、「iPod touch」を活用しつつもPCオーディオ環境での再生をメインとした。なぜなら、音質的だけでなくアンプ出力的にもiPod touchでは力不足となることが容易に想像できたからだ。

 USB DACとして活用したのは、シンタックスジャパンから2月に発売されたRMEの新製品「babyface」。また、音質評価の基準とするリファレンス・ヘッドフォンには、シュアーの「SRH440」を使用している。




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