ヘッドフォンからテレビ、ホームシアターまで、さまざまなジャンルの数多あるAV系新製品のなかから注目の新製品をピックアップし、いち早いレビューをお送りしていく新連載がスタートした。その名も「野村ケンジのぶらんにゅ〜AV review」(編集部注:命名はご本人です)。AVライター・野村ケンジが、ホームシアターから PCオーディオ、カーAVまで幅広くフォローする筆者ならではの視点で、いちはやい試聴レビューをお届けしよう。
記念すべき第1回は、先日デビューしたばかり。4月下旬に発売されたシュア・ジャパンのカナル型イヤフォン「SE215」を取り上げる(販売は完実電気)。SE215は、幅広いラインアップを有するシュアの中でも、エントリーに位置する製品。型番的は「SE210」の後継に見えるが、ドライバーがバランスド・アーマチュアではなくダイナミック型を採用している点や、1万円前後の実売価格を考えると、事実上は「SE115」のビッグアップデートともいえる意欲作だ。
とはいえ、デザインにおいても機能面においても、SE210やSE115とは一線を画す内容となっている。まず本体は、「SE535」や「SE315」などにも採用されている新世代SHURE共通のシェルデザインを採用。シリーズとして統一感のあるアイデンティティーが与えられた。また機能面でも上位モデルのクオリティーが継承され、ケブラー素材による高耐久性を実現したケーブルは、本体との接続部にスナップ・ロック式の金メッキMMCXコネクターを採用。着脱可能なことに加え、360度回転することにより、装着時の快適性も考慮されている。
シェルボディのカラーは、クリアーとトランスルーセントブラック(濃いグレー)の2バリエーションがラインアップされている。
モニターイヤフォンなどに良くある「耳掛けタイプ」と呼ばれる装着方式は、遮音性やタッチノイズの低減にはかなりの威力を発揮するが、装着時の煩わしさが気になるのも事実。しかしSE215は、MMCXコネクター採用によって劇的といってもいいほど装着性が向上している。さすがに一般的なタイプと同様とはいわないが、ケーブルが自由に回転させられるため、手慣れてしまえばかなり素早く装着することが可能だ。
またSE535に対してはもちろん、SE315と比べても本体サイズがスマートにできているためか、装着時のフィット感はかなり高い。このサイズであれば、耳の小さめな女性であっても違和感なく使えそうだ。
それにもまして、ケーブルが着脱可能な点はありがたいかぎり。筆者のようにケーブルを断線した経験のある人間にとって「いざとなれば交換できる」ことは安心感に繋がるし、別売されているコントローラー付ケーブルに交換すれば「iPhone」などでの活用時も便利だ。また上位モデルと共通の仕様となっていることから、将来的には高級ケーブルへのカスタマイズも期待できるだろう。
なお、イヤーチップはSHUREの代名詞ともいえる低反発発泡タイプとソフトシリコンがそれぞれ3サイズずつ同梱(どうこん)されている。SSなどの極端なサイズはないが、ほとんどの人は標準添付されているものでこと足りるはずだ。
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