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“技術で節電”、東芝の節電AV機器を読み解く野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(1/2 ページ)

» 2011年06月16日 14時03分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 東芝は6月15日、バッテリー内蔵REGZA「19P2」を正式にリリースし、加えて最新REGZAテレビの電力消費をリモートコントロールするAndroid用アプリ「RZ節電リモ」や、待機電源をゼロにする「ecoチップ」を紹介した。いよいよ、節電の夏が始まろうとしている今、企業はもちろん、個人もいかにこの夏を乗り切るか、さまざまな手段を講じている。そんなシーズンに間に合わせるべく登場したのが、19P2の“電力ピークシフト機能”である。

バッテリー内蔵REGZA「19P2」。バッテリー駆動中なら、コンセントからの電力消費はゼロ

 19P2は、地上デジタルチューナーを1基搭載(BS/110度デジタルチューナーは未搭載)する19V型液晶テレビで、内蔵バッテリーによる「電力ピークシフト機能」をもち、テレビ本体電源のオフ(スタンバイ)時に充電が行われる仕組みになっている。さらに電力需要が比較的少ない夜間(22時〜翌9時)に充電する「夜間充電モード」も用意。日中はバッテリー駆動によってテレビを動作、ピーク時の消費電力を抑えようというシステムだ。

 バッテリーはリチウムイオンを採用。こちらはPCなどと同じ、ごくオーソドックスなものだ。約5時間で満充電に達し、約3時間の視聴が行えるようになっている。さらに電力消費を通常モードから約18%低減させる「節電モード」も用意されており、こちらを活用すれば、バッテリーのみで最大約4時間までの利用が可能だ。ずっと点けっぱなしとまではいかないが、充分な視聴時間が確保されているといえるだろう。

バッテリーは取り外し可能

 ワンセグチューナーを内蔵した点も興味深い。こちらは、停電して地デジアンテナに電源供給されなくなったときでも、テレビの視聴が行えるよう配慮したもので、まさに震災を経験した日本メーカーだからこその付加機能といえるだろう。

 このように、節電と停電に関してかなりの配慮がなされた19P2だが、19インチサイズ液晶や地デジ1基のみのチューナー、USB HDD録画などの付加機能がいっさいない点など、スペックとしてはかなりオーソドックスな内容となっている。せめてもう少し大きい画面サイズにしてほしかった、そう思う人がいるかもしれない。しかしこれは、東芝の話によるといち早くリリースするため、夏に間に合わせるためリリース時期を最優先にした結果のチョイスなのだという。

 最悪突然の停電が発生する可能性が否定できない今年の夏、停電時でも確実にテレビから情報が得られる製品が間に合ったことは確かに貴重だ。REGZA「19P2」の登場は、多くの人が素直に歓迎することだろう。

RZ節電リモ

 一方、「節電」に関してかなりの効果を発揮してくれそうなのが、Android用アプリ「RZ節電リモ」だ。こちらは東京電力の電力使用状況データをもとにYahoo! JAPANが作成した「電気予報」「電力使用状況メーター」のデータをモニタリング、状況に応じて、REGZAシリーズを節電モードへとコントロールするというものだ。

「RZ節電リモ」。設定の自由度が高い

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