ついに姿を現す“日本流スマートテレビ”。ITmediaの各編集長が公開討論会ITmediaとことん放談(1/3 ページ)

スマートテレビとは何か。単にネットワークにつなぐだけなら、パソコンのほうが明らかに高機能で、スマートフォンのほうが手っ取り早い。しかし、家電やパソコンの進化を見てきたオジサンたちには別の意見があるようだ。テレビが持つべき“賢さ”を考えた。

» 2011年06月27日 10時00分 公開
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 新しいテレビの形であると同時に、“テレビの集大成”、“テレビの再定義”とも位置づけられる“スマートテレビ”がいよいよ登場する。しかし、“スマートテレビ”とは、そもそもどういうものなのだろう? テレビライフを快適にしてくれるのだろうが、いままでのテレビはどこが不便で、それをどのように改善してくれることが期待できるのか?

 最近では“スマートフォン”という言葉もすっかり一般的になり、そのへんのおじさまおばさまでも携帯電話ショップに「スマートフォンちょうだい!」と名指しで買いに来る時代だ。ガジェット好きはもちろん、一般の人にも、“スマート”という言葉は意外なほどに身近になっているのかもしれない。

 ならば、“スマートテレビ”という存在も広く一般に受け入れられる可能性があるのだろうか。この際だから、ITmediaのAV、モバイル、PCなど各ジャンルの編集者を呼んで“スマートテレビ”についてトークを繰り広げてみた!


浅井研二
今回のモデレーター。シャープのパソコン専門誌「Oh!X」「MacUser」などの編集職を経て、IT情報総合サイトの立ち上げに携わる。元「+D LifeStyle」編集長。

松尾公也
元「MacUser」編集長。アプリやソーシャルメディアに造詣が深く、現在は“つぶやき”から世の中の動きを探る「1topi」のチーフキュレーターを務める。

田中宏昌
PC雑誌「PC USER」などの編集を経て、2006年にITmediaでWeb版「PC USER」を立ち上げる。アナログ放送からデジタル放送に対応したPCの変遷を見てきた。

園部修
PC雑誌「PC USER」編集を経て、2006年から+D Mobile編集部に所属。新しいガジェットが好きで、自腹を切って購入した製品も多数。

芹澤隆徳
PC雑誌「PC WEEK」編集などを経て、現在は「+D LifeStyle」のAV担当。新しモノ好きが多いITmedia社内で、最も早くデジタル放送への移行を果たした。



 

浅井:おじさんばかり集めてしまいましたが(笑)、皆さんAV機器やガジェットについて一家言ある方々だと思います。さっそくですが、今回のテーマ「スマートテレビ」に関しては普段、どのように考えているか聞いていきたいと思います。まず、そもそもスマートテレビという言葉はどこからでてきたのでしょうか。

芹澤:これまでの経緯を振り返ると、“スマートテレビ”という言葉自体は昨年あたりから海外メーカーが頻繁に使い始め、今年の「2011 International CES」で広く知られるようになりました。海外では、「ブロードバンドへの常時接続」「ストリーミングでのVOD観賞」「(ゲームやユーティリティなど)追加アプリケーションのダウンロード&実行」といった条件で定義しているようです。国内メーカーも独自の“スマートテレビ”を考え、提案しようとしている。そんな状況です。

浅井:アプリケーションの追加などはともかく、海外メーカーの挙げた条件の多くは、単なるネットワーク対応にとどまるような気がします。少なくとも日本のテレビ製品では、どれももう当たり前の機能でしょう。

芹澤:そうですね。日本では「アクトビラ」などのVODサービスがテレビの標準的な機能として多くの製品に搭載されていますし、少し進んだテレビになると、DLNA/DTCP-IPに対応することで、Blu-ray Discレコーダーなどで録画した番組もLAN経由で視聴できます。ですから、このへんはネットワーク機能というかインフラの範ちゅうで、「その上で何をするのか」という部分が重要になってくるのではないかと思います。

浅井:でも、VODやDLNAといったネットワーク関連の機能は、一般の人レベルで見れば、どれくらい浸透しているんでしょうね。だいたい、われわれの周りでもテレビをネットワークに接続して、しかもフル活用しているという人がそんなに多いとは思えません。みんな本当に使っているのか? という感じもあります。

松尾:いまは、VODの入り口も多様になっていますからね。テレビのアクトビラもそうだし、ゲーム機向けのVODサービスもあるし、ケーブルテレビのサービスの1つとしても提供されている。もちろん、PCのWebブラウザ上で観賞するものもありますよね。でも、そのうちのどれを使うのが、最も楽なのかというだけでしょう。で、テレビはほかの手段よりもその点でひけをとっていたということではないでしょうか? 見たいコンテンツがそこに存在して、そして、そこに容易に行き着けるかどうかが問題だから。

浅井:まあ、確かにYouTubeを見るにしても、PCではなくスマートフォンで見るという人が増えている気はしますが、それも手軽だからでしょうね。

松尾:簡単に検索したり、面白そうな関連動画を次々に見ていったりとかね。例えば、家族の誰かが「スマートフォンでこういう面白いコンテンツを見つけたから、みんなで見てみようよ」というときは、本当はテレビの大画面で見るのがいいんだけど、わざわざテレビのリモコンを使って検索して、ということになると難しいでしょう。そのへんの流れがすごくスムーズにいくようなものは、スマートな要素の1つといえるかもしれない。

浅井:単純にVODを見られるだけではスマートでもなんでもないけれど、そういう快適な操作と一体になったようなもので、自分の見たいものが簡単に見られるんであれば、それはスマートということですかね。

松尾:むちゃくちゃ快適にしてくれるとか、あるいは操作自体を楽しいものにしてくれるとか。

浅井:となると、テレビ番組でも、VODでも、とにかくそのユーザーが見たものは、興味関心のあるキーワードだというふうに認識して覚えておいて、それをもとにおすすめコンテンツを教えてくれるとか、そういうインテリジェントな部分も必要になってくるんでしょうか。

松尾:そういった、いわゆるカスタマイズ機能も必要だと思いますが、その一方で、自分の趣味嗜好(しこう)を家族に知られてしまうという問題点もあるかもしれない(笑)。だから、これはみんなに見てほしいよねと思うコンテンツとかキーワードを“自発的”にテレビへ伝えるというレベルがいいのかも。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年9月30日