SUMMIT wirelessのシステムでは、送出側をマスター、受信側のスピーカーをスレーブと位置づけている。マスターは、HDMI入力やHDオーディオのデコーダーを備えたスリムな筐体で、デコードした8chの音声データをストリーミングで送出する。スレーブのスピーカーにそれぞれアンプを内蔵する仕組みのため、マスター側にAVアンプのような大きな筐体は必要ない。コンパクトさを生かしてサウンドバーに内蔵したり、あるいはテレビそのものに組み込むことも可能だ。
無線では常時8ch分のデータが送出されているため、アップグレードも容易。例えば当初は2.1chシステムを購入して、拡張したくなったらリアスピーカーを追加して5.1chにすればいい。5.1chから7.1chへの拡張も可能だ。
スピーカーのセットアップは手軽だ。実はSUMMIT wireless対応スレーブ(アクティブスピーカー)は、フロントバッフルに超音波の発信器を備えており、49Hz/102dBという「人には聞こえないけれど強い超音波」(同氏)でマスターとの正確な距離や向きを測る。各スレーブの場所を把握したマスターは、それぞれのスレーブに適切なディレイタイムを設定して音場を形成する。同社はこの機能を「SpeakerFinder」と呼ぶ。
また付属のリモコンにも超音波の発信器が組み込まれており、「MyZone」と書かれたボタンを押すと、リモコン(視聴者)の位置を計測して定位する場所を移す。「測定時の誤差は±25ミリと精度が高く、また設定に要する時間もわずか2秒」(同氏)。実際にデモ機で試してみると、対応できるエリアの広さは特筆もの。室内の端から端へ移動しても、MyZoneボタン1つで音場がしっかりと追従してくることが確認できた。
サミットでは、世界中のオーディオメーカーにこの技術のライセンスと基幹部品のOEM供給を行っており、今月末には米Aperion Audioから初の対応システムが発売される予定だ。また今回デモシステムとして使用したインドネシアSinarbaja製のホームシアターシステムも製品化を前提としたもの。気になる国内メーカーについては、「いくつものメーカーと話をしている。近い将来、国内メーカーからも対応製品が発売される見込みだ」(ウィリス氏)と話していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR