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LGエレ「LZ9600」が実現した脅威の薄さとコントラスト山本浩司の「アレを見るなら是非コレで!」(1/2 ページ)

» 2011年07月13日 14時53分 公開
[山本浩司,ITmedia]
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 昨年わが国のテレビ市場に再デビューを果たした韓国のLGエレクトロニクス。超薄&極細デザインの大画面テレビ「LX9500」シリーズが一部で注目を集めたが、この夏新たに登場した「LZ9600」シリーズの内容が一段と興味深い。

「LZ9600」シリーズ(左)と「LW5700」シリーズ(右)

 現在同社は、偏光フィルムを液晶パネル表面に貼り付け、3Dメガネから液晶シャッターを追放したFPR(Film Patterned Retarder)方式の3Dテレビ「LW5700」シリーズをテレビコマーシャルなどで積極的にアピールしている。確かに3Dメガネの軽さ、画面の明るさなど本シリーズならではの3Dテレビの魅力は理解できるが、高画質を指向する読者のみなさんには、3DのLW5700よりも超薄&ハイコントラストのLZ9600にぜひ注目していただきたいと個人的には思う。

 なんと言ってもまずその薄さが凄い。直下型LEDを採用しながら47V型で奥行8.8ミリという目を疑う薄さを達成しているのだ。画面左右と上部のヘアライン処理が施されたアルミのベゼル幅も1.25センチときわめて狭く、平面性がみごとに保たれており、じつにスタイリッシュ。レシーバーユニットとの連結部のスタンドネックもスマートで(本機は2体構造)、この仕上げならどんなクールなインテリアにも映えるに違いない。

直下型LEDを採用しながら47V型で奥行8.8ミリ。薄さがすごい

 47V型と55V型で構成される本シリーズに採用されたパネルは、性能に定評のある同社製IPSタイプ。白色LEDを液晶パネル直下に配したローカルディミング機で、画面分割数は55V型が288エリア、47V型が240エリアとかなり細かい。コントラスト・スペックは驚異の1000万:1だ。

 直下型バックライト方式は、エッジライト方式に比べて構造上奥行が厚くなるのは自明の理だが、なぜLGは直下型で8.8ミリという驚異の薄さを実現できたのか。その秘密は、液晶テレビ事業を垂直統合型開発で進めてきた同社の総合力にあったといっていいだろう。

 LZ9600のバックライト・モジュールを同社は「NANO FULL LED」と呼んでいる。LGエレクトロニクスジャパンラボで、そのバックライト・モジュールの実物を見せてもらったが、LED基板2ミリ、光学シート1ミリ、拡散板2.4ミリ、合わせて5.4ミリというその驚異的な薄さにおおいに驚かされた。

パネル構造(出典はLGエレクトロニクス)

 LEDの厚みは1.1ミリ。その極薄ぶりがまず驚きだが、このLEDがプリント基板上にハンダ付けされ、その基板に反射パターンが印刷されたシートがラミネートされている。そして、その上に各エリアごとにLEDのホットスポットを遮断・制御する遮光パターンフィルムがはり合わせられるという構造だ。ちなみに1エリアには6個のLEDが配置されており、55V型の場合、全部で1728個のLEDが使われる計算になる(6個×288エリア)。

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