　8月1日に「Ustream」と「ニコニコ生放送」で同時に放送した「ITmedia スマートテレビ研究所第一回シンポジウム」。乙武洋匡氏をMCに迎え、AV評論家の麻倉怜士氏と本田雅一氏、ゲストとしてITジャーナリストの松村太郎氏とガジェット好きの“ガジェッティーヌ”こと、女優のいとうまい子さんに参加していただきました。ITmediaライフスタイルの元編集長・浅井研二から乙武氏にバトンを引き継いだ後、「スマートテレビとは何か？」をテーマに、およそ1時間半にわたって熱のこもった議論が繰り広げられました。その内容をすべて公開します。前編と合わせてご覧ください（以下、敬称略）。

出演者集合写真

乙武　ここでみなさんに答えていただいたアンケートの結果が出てきました。まず、こちらはUstreamの方でお答えいただいたアンケートの集計です。「便利になる」というのが20％、そして「質を高める」が4％、一番多いのが「可能性が広がる」、これが58％と6割近い方が答えてくださっています。そして「必要ないんじゃないか」という方も2割弱いらっしゃるという結果ですね。

リアルタイムのアンケート結果公表【24分30秒前後～】

Video streaming by Ustream

　ニコ生になるとどうなるんでしょうか。あ、そんなに変わらないですね。「便利になる」が13％、「質を高める」が9％、そして「可能性が広がる」、こちらが過半数を超えて54％の方が。そして「必要ない」が24％。ちょっとさっきよりも増えたかな、というような形ですかね。

本田　だいたい4分の1ぐらいの人は必要ないと思ってらっしゃるという感じですかね。でも、その気持ち、分かるんですよ。先ほど、いとうさんがおっしゃっていたように、テレビって昔から、前のめりの機能ってよくいうんですけど、自分からアクティブにする、作用するようなそういう機能って流行らないんですよね。インターネットのWebブラウザというのは、1990年代に入っていて、インターネットにアクセスできるようになっているんですけど、あまり使っていないですよね。

いとう　使っていないですね。

本田　みんな持っているんだけど、使っていないというのは、やはりテレビってどちらかというと映像を受け身で楽しむ、ブロードキャスティングを楽しむという要素が強いので、今まで流行ってこなかった。だけど、そこにどうネットワークサービスとその受け身のコンテンツを融合していくのか。そこの見せ方というのかな、体験のさせ方というのが重要になってくるんでしょうね。やはり4分の1の方が必要ないというのは、そういうイメージがまだまだあるんだと思います。

麻倉　あと「質が高くなる」というのがすごく少ないですよね。1つは質問の仕方がよく分からないんだけども、逆にいうと、質というものが定義できたら、つまりテレビを見ることの質、それから引いては生活の質、考え方の質、みたいなことができたら、結構行くと思いますね。今は、少ないからこそ可能性がある。

乙武　さ、このスマート化というものを図るときの大事な要素の1つとして、DLNAという技術がいわれているんですけど、いとうさん、これご存知ですか？

いとう　いえいえ。なんですか、でぃーえるえぬえー？　デオキシリボ核酸？（笑）なんでしょう。初めて聞きました。

乙武　ねえ。どういうものなんでしょう。

麻倉　これ、使っている場合もあると思うんですよ。つまり、1つのテレビがあって、でも同じ番組を違うところで見たいな、というときに、今、このDLNAがあるんですよ。難しくいうとホームネットワークですけども、離れたところから見ると。しかも見るというのは、同じ番組じゃなくて、そのテレビの中にあるハードディスクの中に入っているものも見られると。

　昔からよくマルチルームで見ましょうとか、あったんだけれども、「ケーブルをどうやって這わせるの」みたいなことがあったんですが、それを「無線LANでやりましょう」ってことになってくると、非常に簡単にできると。やはり昔から欲しいと思っていたことが今、非常に簡単に業界標準でできている。「D」はデジタル、「L」がリビンク、「N」、ネットワーク、「A」、アライアンス。ま、そういうような団体が世界で集まって、互換性をとりましょうというのが目的で、今はもうデファクトのスタンダードになって、これはほとんどのテレビとかパソコンに入っています。

　ですから、今日の議論って、結構外とのインターネットとのつながりですけども、実は家の中でのネットワークというのもほとんど完璧にできていて、実は先ほどやった手裏剣もDLNAですね。

いとう　なるほど！

アンケート「自宅でホームAVネットワーク構築している？」

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