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密閉型とは思えない豊かな拡がりを満喫、AKG「K550」野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(1/2 ページ)

» 2011年12月07日 19時15分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 ヘッドフォンからテレビ、ホームシアターまで、さまざまなジャンルの数多あるAV系新製品のなかから注目の新製品をピックアップし、いち早いレビューをお送りしていく「野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review」。今回はつい先日発表されたばかり、新開発50ミリドライバーを採用した密閉型ヘッドフォン、AKG「K550」のレビューをお届けしよう。

ハーマンインターナショナルから12月1日に発表されたAKG「K550」。12月上旬にオープンプライスで発売する。実売想定価格は2万9000円前後

 先日開催された「秋のヘッドフォン祭り」は、会場の至る所に多くの新製品が並び、大いに盛り上がった。その活気ある姿は、AVライターとしてはもちろん、いちオーディオファンとしてもうれしいかぎり。しかしそのいっぽうで、取材する側の人間としては「うれしい悲鳴」で、いくつかの製品に関しては、もっとじっくり試聴したいと思いつつも、その場を離れなければならないことが少なからずあった。

 今回紹介するAKG「K550」も、そんな「後ろ髪を引かれた」製品のひとつ。新開発の50ミリドライバーを搭載し、オープンエアーのイメージが強いAKGながらあえて密閉型を採用、しかも先代に当たるシリーズのない全くのブランニューモデルとくれば、筆者でなくても大いに気になる存在であるはず。そこで今回は、「K550」のサンプル機をいち早く借用し、そのサウンドをじっくりチェックさせてもらった。

 まずは「K550」の概要について紹介しておこう。詳細は発表記事に譲るが、やはり最大の注目ポイントは新開発のドライバーだろう。AKGといえば、「Q701」や「K601」などスタジオモニター系に採用されている40ミリドライバーのイメージが強いが、「K550」に搭載されたのは新開発の50ミリ径。しかも振動板には、位置によって厚みや重量(多分複合素材の配分を変えているのだろう)を変えた、マイラー系の素材を採用する。さらにアルミ素材で軽量なボイスコイルを組み合わせることで、大口径ならではの迫力と高いリニアリティーを両立し、「躍動感のあるワイドレンジ再生を可能にした」という。また密閉型フランジの内側には、バスレフポートを備えた“内部ハウジング”を装着し、お得意の「ベンチレーション・システム」と合わせて、振動板の背圧をコントロールすることでスムーズな振幅を実現しているという。

ハウジング部のマットな質感とヘッドバンドのメタル素材が妙にマッチして高級感をかもし出す

イヤーカップ内にはR/Lが大きく表記されている(左)。ケーブル長は3メートル。金メッキ仕様の標準プラグ変換アダプターも付属する(右)

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