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DEGジャパンのブルーレイ大賞発表、グランプリは“旧作”?

» 2012年02月15日 22時12分 公開
[ITmedia]
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DEGジャパンの塚越隆行会長は、ブルーレイ大賞が「BDの魅力を伝える機会になればいい」とあいさつした

 DEGジャパンが主催する「第4回 DEGジャパン・アワード/ブルーレイ大賞」の受賞式が2月15日に開催され、各賞の受賞作が決まった。グランプリを受賞したのは、ルキーノ・ヴィスコンティ監督の「山猫」(1963年公開)。それも「ベストレストア/名作リバイバル賞」とのW受賞となった。

 DEG(デジタル・エンターテイメント・グループ)ジャパンは、映像ソフトメーカーや映像機器メーカーなど38社が加盟する業界団体。2009年にスタートしたブルーレイ大賞は、単に販売本数が多い作品ではなく、画質や音質、インタラクティブ性といった“Blu-ray Discならでは”の魅力を評価するというユニークなアワードで、審査員には映画/エンターテイメント専門各誌の編集長のほか、弊誌連載でおなじみの麻倉玲士氏(審査委員長)や本田雅一氏も名を連ねている。

 4回目の開催となる今回は、邦画BDの増加を受けて「ベスト高画質賞」に「邦画部門」が新設されたほか、「ベストレストア賞」が「ベストレストア/名作リバイバル賞」に名称を変更した。エントリー作は、9部門合計で過去最多の67作品。また、審査とは別に一般ユーザーによる投票のみで選出される「ユーザー大賞」もあり、今回は過去最多の4921名が投票したという。各賞の受賞作は下表の通り。

部門 受賞作 発売/販売元
グランプリ   山猫 IMAGICA TV/紀伊国屋書店
ベストBlu-ray 3D賞   塔の上のラプンツェル ウォルト・ディズニー・ジャパン
ベスト高画質賞 映画部門(洋画) ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 DVD&ブルーレイセット(3枚組) ワーナー エンターテインメント ジャパン
ベスト高画質賞 映画部門(邦画) 相棒ー劇場版IIー警視庁占拠!特命係の一番長い夜 テレビ朝日/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社
ベスト高音質賞 ビデオ(TV・ドキュメンタリー・音楽)部門 Healing Islands OKINAWA3 〜沖縄本島〜 ビコム
ベスト高画質賞 アニメ音楽部門 カーズ2 ウォルト・ディズニー・ジャパン
ベスト高音質賞 音楽部門 佐渡裕 指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 武満徹:フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番 NHKエンタープライズ
ベスト高音質賞 映像部門 バーレスク ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
ベストレストア/名作リバイバル賞   山猫 IMAGICA TV/紀伊国屋書店
ベストインタラクティビティ賞   浜崎あゆみ/FIVE エイベックス・エンタテインメント/エイベックス・マーケティング
審査員特別賞(3作品)   ソーシャル・ネットワーク ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
審査員特別賞(3作品)   ヴェルディ:歌劇《椿姫》英国ロイヤル・オペラ 2009 日本コロムビア
審査員特別賞(3作品)   スター・ウォーズ コンプリート・サーガ ブルーレイBOX 20世紀フォックス ホームエンターテイメント ジャパン
ユーザー大賞   ユーザー大賞 トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン ブルーレイ+DVDセット パラマウント ジャパン

 審査委員長の麻倉玲士氏は、今回のグランプリを「意外な結果」と評した。半世紀前に公開された作品が数々の新作や注目作をよそにグランプリを獲得したことにくわえ、「山猫」はメーカーの推薦ではなく(発売、販売元ともにDEG非加盟)、審査委員の推薦でノミネートされたからだ。「山猫がグランプリをとったのは衝撃かもしれないが、古くても素晴らしい作品を見直す動きがここまで盛り上がったということ」(麻倉氏)。

審査委員長の麻倉玲士氏

 また、そのほかの傾向として、今年は邦画が増えたこと、ベストインタラクティビティ賞を獲得した「浜崎あゆみ/FIVE」のようにBlu-ray Discを新しい音楽媒体として活用する動きも出てきたと指摘した。一方、「ベスト高音質賞・音楽部門」をNHKエンタープライズが4年連続で受賞していることを挙げ、「NHKエンタープライズががんばっているのはもちろんだが、ほかのメーカーが注力していない証拠でもある」とチクリ。「もっと音楽を盛り上げていきたい」と話した。

審査委員と受賞メーカーの担当者


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