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“スマートディーガ”、進化のポイント野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(1/2 ページ)

» 2012年02月22日 13時44分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 年2回のリニューアルというペースで進化し続けるパナソニックのBlu-ray Discレコーダー“DIGA”(ディーガ)だが、またまたこの2月に新バージョンへと進化した。とくに上位3モデルは、新たに「スマートディーガ」というペットネームが与えられ、大幅な刷新を予想させる。ここでは、2月20日の発売を前にスマートディーガの進化ポイントを整理していこう。


「DMR-BTZ920」の天板が無接点充電規格「Qi」(チー)対応となった。天板にサークル状の明かりが灯る(左)。リモコンには「もっとTVボタン」がついた。ちなみにリモコンは無線&赤外線両用のタッチパッド付きタイプだ(右)

 新ディーガの詳細を見ると、スカパー!HD録画を含めた4番組同時録画やAVCエンコーダーの数など、基本的な録画機能に関してはあまり変化していないことが分かる。大きなトピックといえるのは、「もっとTV」対応を含む「ビエラ・コネクト」への対応、上位3機種に「シンプルWi-Fi」と呼ばれるWi-Fi Direct対応の無線LAN機能を標準装備したこと、そして最上位モデル「DMR-BTZ920」が無接点充電規格「Qi」(チー)対応となったことなど。スマートディーガという名称通り、録画機能よりネットワークによるサービスの追加や機器連携に重きを置いたアップデートであることは確かだ。

 そのほかはクイックスタート待機時の省電力化、EPG画面の変更と録画番組検索の強化、「かんたんスタートメニュー」のさらなる簡略化など、新機能というよりはブラッシュアップといえそうな内容になっている。

クイックスタート待機時の省電力化により、省エネモードなら約2.8ワットまで下がった。さらにクイックスタートと時刻表示を切ると、待機電力は0.02ワットまで下がるという。写真は下がっていく途中のもの(左)。「見る」と「録る」に特化した「かんたんスタートメニュー」(右)

ライトユーザーにうれしい「シンプルWi-Fi」、ヘビーユーザーが喜ぶ「家じゅう」タブ

 スマートディーガには、「DMR-BTZ920」「DMR-BTZ820」「DMR-BTZ720」の3機種がある。いずれもWi-Fi内蔵モデルだが、昨秋発売の先代モデルにも無線LANアダプターは搭載されていた。新しいのは、前述のように内蔵無線LANをアクセスポイント代わりに使える「Wi-Fi Direct」に対応したことだ。Wi-Fi Directでは、スマートディーガと対応するテレビ(クライアント)があれば、ルータを介さずに接続し、DLNAの「お部屋ジャンプリンク」で録画番組をワイヤレス視聴できる。クライアントは8台まで登録可能で、しかもクライアント側からはスマートディーガが通常の無線アクセスポイントに見えるため、「Wi-Fi Direct対応」ではない既存のビエラやお風呂テレビもつながる点は大きなメリット。シンプルな構成で手軽に使えるのはありがたい。ただ、この場合はインターネット接続はないため、「もっとTV」や「アクトビラ」といった機能は使えない。インターネットは必要のないという層に向けた簡易ネットワーク構築法といえそうだ。

左から「DMR-BTZ920」(実売22万円前後)、「DMR-BTZ820」(実売13万円前後)、「DMR-BTZ720」(実売10万円前後)

新型で最もコンパクトな「DMR-BRT220」を2008年発売の「DMR-BW830」とサイズ比較(左)。「DMR-BZT920」の背面端子

 次に、その「お部屋ジャンプリンク」に関する新機能についてチェックしていこう。おさらいすると、「お部屋ジャンプリンク」は、無線および有線LAN経由で接続されたビエラやポータブルテレビ、スマートフォンなどでディーガ内の録画コンテンツが視聴できるというもの。2008年モデル(の一部)から搭載されているが、新製品で大きく変わったのが、マルチタスク性の向上だ。これまで、ディーガでBlu-ray Discを再生しているとサーバ機能が使えなかったが、今回から可能になった。

 また「お部屋ジャンプリンク」は、「放送転送」と呼ばれる、ディーガのチューナーを借りて別の部屋のテレビでリアルタイム放送を見られるという機能も持ち合わせている。従来モデルでは、トリプルチューナーモデルに限って1番組録画中まで利用できたが、スマートディーガでは、チューナーの空きさえあれば、例え2番組AVC録画中でも使えるようになっている(ただしAVC録画はHDDに限る)。これらの制約が外れたことで、“使いたいときに使えない”ケースは大幅に減るだろう。

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