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大画面テレビを壁寄せできる“薄型シアター”、シャープから登場パイオニアロゴ入り

» 2012年03月08日 13時09分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 シャープは3月8日、シアターシステム「AQUOSオーディオ」の新製品として、大画面テレビと同程度の厚さしかない“薄型”シアターシステム2機種を発表した。パイオニアのHVTスピーカーを採用し、スピーカー部を95ミリ(最薄部)にまで薄型化。スタイリッシュな“壁寄せ”設置を可能にする。

40V〜52V型用の「AN-AS5000」は40V型のAQUOSと組み合わせた場合にぴったりのサイズとなっている(左手前)。60V型用の「AN-AS6000」(右)

 HVT(Horizontal-Vertical Transforming)方式は、ボイスコイルなどの水平運動を垂直運動に変換するリンク機構を用い、平面振動板を駆動する技術。2010年1月に東北パイオニアが発表し、既にパイオニアブランドでいくつかの製品がリリースされている。

 HVT方式には“薄い”以外にもいくつかのメリットがある。例えば、強力な駆動部(磁気回路・ボイスコイル)を使えば、小容積のエンクロージャーでも豊かな低域再生を可能にするユニットを作成可能。また振幅を制限する必要がないため、従来のダイナミック型スピーカーに比べてより低い最低共振周波数のスピーカーユニットを設計できる。さらにHVT方式ユニットを背中合わせにした両面駆動方式とすれば、互いに振動を打ち消し合い、振動が少なく、指向性のないスピーカーができあがる。

HVTスピーカーの構造(左)。新製品にはパイオニアのロゴも付いている(右)

 今回のシアター製品では、2枚のHVT振動板を背中合わせに配置した両面駆動方式を採用。不要振動をキャンセルするとともに、360度に音が放射される無指向性のスピーカーとした。これにより、スイートスポットがなく、部屋全体が音に包み込まれるようなサウンドを楽しめるという。「無指向性のため、画面から音が出ているように感じる。信号処理などであえて音像を引き上げる必要もない」(パイオニアの担当者)。

取り付けにはVESA金具を使用

 新製品はいずれも、下部にウーファーを配置した2.1ch構成とし、内蔵アンプは総合300ワット。スタンド部とシアターの間にはBlu-ray Discレコーダー“AQUOSブルーレイ”などを収納できるすき間があり、内部には電源タップ(1個口)も用意されている。もちろん「AQUOSファミリンクII」をサポートしているため、テレビのリモコンでシアターやBDレコーダーの操作が可能だ。

 薄いシアターシステムにテレビを固定するのは、AQUOSシリーズが標準的に対応しているVESA仕様の金具だ。このため、過去に発売された製品でも幅広く使用できることも特長。「VESA仕様の壁掛け用ネジ穴を利用することで、過去のAQUOSユーザーにも提供できることになった。最大60V型の大画面でもスタイリッシュな壁寄せスタイルを実現できる」(シャープ)。対応するAQUOSは下記の通り。

VESA金具でテレビを固定するため、壁にぴったりとは寄せることができない(左)。壁との間に一定のすき間があるときは後ろ側に可動式の脚が出て安定性を高める仕組みだ(右)

型番 AN-AS5000 AN-AS6000
対応するAQUOSのシリーズ名(サイズ) LB3(46V型、52V型)、LV3(40V型、46V型、52V型)、DR3(40V型)、L5(40V型、46V型、52V型)、Z5(40V型、46V型、52V型)、V5(40V型、46V型、52V型)、R5(40V型)、F5(40V型)、F3(40V型) L5(60V型)、Z5(60V型)、B5(60V型)

 価格はどちらもオープンプライス。40V〜52V型用の「AN-AS5000」は3月19日発売予定で、店頭では9万円前後になる見込みだ。60V型用の「AN-AS6000」は13万円前後になる見通しだが、発売は6月10日と少し遅くなる。

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